この記事では、「既存不適格」の意味を分かりやすく説明していきます。
「既存不適格」とは?意味
建築、完成した時点での「旧法・旧規定の基準で合法的に建てられた建築物」で、現行法に対しては不適格な部分が生じた建築物があるものを指します。
違法建築や欠陥住宅ではありません。
北側斜線制限などによって住宅のサイズに制限ができているケースが多くなり、リフォームは可能ですが増築は不可能であるケースが多く、その建築物を取り壊した後に全く同じ大きさ、それ以上の大きさの建築物を立てるのはほぼ不可能となっています。
接道義務を満たしていない再建築不可物件も近いニュアンスの建築物で、こちらもリフォームは可能、住むことも可能ですが建て替えが不可能で。
消防上一定のリスクが有る建物となっています。
「既存不適格」の概要
建築物に使う用語ですが、ニュアンスとしてはシートベルトが義務化されていない時代の車でも公道が走れるという方向性に近いものがあり、そのまま住むということは可能です。
ただし既存不適格そのものの問題ではないのですが、法律施工前であるため古い建物であるケースが多くなります。
仮に新たな法律が施工され、多くの住宅が既存不適格になるようなことがあればこの問題は別のものになります。
また、家の省エネ化などに対する高性能化は著しいものの、高性能な装備の義務化は高額であること、既存のものに必ず取り換えができるとは限らないことなどから既存不適格の家が今後どんどん増えていくということはないと考えられます。
既存不適格にはならない家の性能向上としては住宅用火災報知器の設置義務などが挙げられ、古く客が入ることを前提とした建物であれば非常口の案内表示灯が設置されることなどが既存不適格とは違うタイプで家屋の性能を現在の水準に合わせる目的のことと言えるでしょう。
「既存不適格」の言葉の使い方や使われ方
「既存不適格の家だったために増築できることはなく、リフォームやトランクスペースの仕様でしのぐ」「既存不適格の家なだけに独特の広さを感じる」「既存不適格の家だけど住めるのがありがたい」などの使い方が挙げられますが、実際の利用例は不動産店において中古住宅を買う際に既存不適格であるという説明を受けるということがほとんどと言えるでしょう。
「既存不適格」の類語や言いかえ
現在の法律では建てられないタイプの家、昔の法律だから出来た家、法律的に増築できないタイプの家などの言葉が言い換えとしてあげられますが、既存不適格のような言葉の言い換えはありません。
まとめ
既存不適格は建物に使われる用語で、建物のライフサイクルの長さ、命を守ることなどで要求される法律の強化などで発生しうるものとなっています。
法律との関係によるもので、基本的には一定期間が経過したものが既存不適格となってしまうことがありますが、住むことには問題がないという点はポイントでもあり、増築は出来ないのが注意点です。