「義理」と「礼儀」はどちらも日常会話やビジネスシーンなどさまざまな場面で目にする言葉です。
この記事では「義理」と「礼儀」の違いについて、分かりやすく説明していきたいと思います。
「義理」の意味や使い方とは?
「義理」とは、物事の正しい道理や対人関係においての守るべき道理、また対人関係において仕方なく行う行為といった意味があります。
「義理」の「義」はどうりをわきまえて人として守るべきものを守るといった意味があり、この場合は「義理を通す」などといった使い方をします。
また、対人関係の「義理」は社会で生きてゆく中で立場や道徳上守るべきことを守るといった意味があり、その場合は「義理としてお礼をいうのは当たり前」などといった使い方をします。
そしてさらに対人関係において仕方なく行う行為のこともあらわし、たとえばバレンタインにお世話になっている人などに渡す「義理チョコ」がわかりやすい例です。
本当はあまり気がすすまないけれど仕方なく行う、という場合に使います。
また、血のつながっていない親族を「義理の〇〇」ということがあり、結婚相手の父母を「義理の父」「義理の母」といった呼び方などであらわします。
「礼儀」の意味や使い方とは?
「礼儀」とは、社会の秩序や対人関係の維持のために、相手やものごとを尊敬する気持ちをあらわす作法のことをいいます。
具体的にいうと、人に何かをしてもらったときに「ありがとうございます」を言う、などといった人として当たり前のことを指すことが多いです。
何かをしてもらったときは「ありがとうございます」を言うことが当たり前であり、然るべき場所や年上の相手に敬語を使うことが当たり前であり、人と会ったらきちんとあいさつをすることが当たり前であり、そういったものを「礼儀」といいます。
「義理」と「礼儀」の違いについて解説
「義理」と「礼儀」は、社会の中で生きてゆく上で必要なものであるという共通点はありますが、大きな違いも存在します。
まず「義理」は社会的地位や立場上仕方なく行うことという意味をもっていますが、「礼儀」自体にそのような意味はありません。
「礼儀」がわからない人は非常識であると言われますが、「義理」は気が利かない程度のものでもあります。
また「義理」には血のつながっていない親族という意味も存在しますが、「礼儀」にはそういった意味は含まれません。
「義理」を使った例文を紹介
・『僕の上司は非常に義理堅く、以前上司の仕事を手伝ったときは後日僕の仕事も手伝ってくれた、みんなの手本になるような人だ』
「礼儀」を使った例文を紹介
・『結婚の挨拶で僕の実家に来たとき彼女はあまりにも礼儀を気にしていて、帰ってきてからは疲れ切ってしまっている』
まとめ
「義理」と「礼儀」は似ている言葉ですが、意識の違いや常識としての面での違いがありました。
「義理」も「礼儀」も、この社会で生きてゆく上で必要なことなので、正しく覚えておきたい言葉です。