労働問題に関する話題で登場する言葉「ブラックバイト」とはどのような意味なのでしょうか。
今回は、「ブラックバイト」の意味と類似表現について解説します。
「ブラックバイト」とは?意味
「ブラックバイト」とは、「権利が守られないなどひどい労働環境を強いられるアルバイト」を意味する言葉です。
「ブラックバイト」の概要
2008年の新語・流行語大賞に「ブラック企業」という言葉が選ばれました。
ブラック企業とは「労働者を守ることなく過酷な労働条件を無理強いして使い潰す悪質な会社」を意味する言葉で当時既に社会問題化していました。
ブラック企業は労働基準法を守らず独自のルールを振りかざして労働者を雑に扱います。
最低賃金以下の給料で働かせたり過剰な残業や休日出勤を強いたり有給を認めなかったりなど、法律違反という明確な違法行為を行いながら法の目を逃れて労働者を使い潰し続けるブラック企業は働く人にとって悪質であるだけでなく社会にとっても有害な存在です。
そんな悪質なブラック企業の存在は不景気による就職難が遠因です。
2000年の氷河期以降長らく続いた就職難はリーマンショックによりいっそう深刻さを増します。
本来なら就職希望者から敬遠されるべきブラック企業が働き口がないというリユでやむなく働いてしまうことが増えたことにより延命してしまいます。
現在では法改正や行政指導の強化などにより一時期に比べてブラック企業は減っているものの、そのような企業が存在していたことによる悪影響はあちこちに見られます。
「ブラックバイト」は「ブラック企業のアルバイト版」です。
本来アルバイトに求められる役割は正社員の補助であり任される仕事も補助的なものだというのが当たり前の考え方でした。
しかし、2000年以降の深刻な就職難により正社員として就職できなかった人達が退場にアルバイト市場に流れます。
企業側も人件費節約のため大量のアルバイトを採用すると同時にそれまでは正社員に任せていたような重要な仕事をバイトに任せるケースが増え始め、質も数もバイトに依存しなければ成り立たない企業が急増します。
そんなアルバイトを取り巻く環境の中でも学生アルバイトに関しては学生であるということで一定の配慮がなされていたのですが、学生に対して学業を優先させるなどの配慮を一切行わない悪質な雇い主が目立つようになります。
学生にとっては悪質でブラックな労働条件を強要するそのようなバイト先を総称する言葉が「ブラックバイト」です。
賃金の一方的な引き下げや未払い、サービス残業の強要やタイムカードの書き換え、試験休みや退職の拒否など「ブラックバイト」は働く人のことを考えません。
弱者を追い詰める「ブラックバイト」は社会問題化しています。
「ブラックバイト」の言葉の使い方や使われ方
・『一方的に賃金を引き下げるのはブラックバイト以外の何物でもない』
・『休んだときに交代要員を探すよう求める職場はブラックバイトである』
・『ブラックバイトについて弁護士に相談する』
・『ブラックバイトに退職を拒否されたときは親同伴で話しあうと効果的だ』
「ブラックバイト」の類語や言いかえ
・違法バイト
「法律に違反しているアルバイト」を意味する言葉です。
最低賃金を下回っていたり有給を認めなかったりといった法律違反のほか、無資格での作業を指示したり自腹買取を共用したりするような行為も含まれます。
まとめ
もし「ブラックバイト」にあたってしまったら一人で対処するには限界があります。
労働ユニオンや法テラスなどに相談して専門家の力を借りて解決を目指してください。