「ご足労いただき」
「ご足労いただき」という表現は、基本的に自分より年配の人に対して使う言葉です。
謙譲語に当たる表現で、相手に対して敬語として使います。
場合によっては同年代の人に対しても使えますが、その場合は冠婚葬祭などの特別な場合に限られます。
「ご足労いただき」の意味
「ご足労いただき」とは、「わざわざお越しいただきまして」という意味になる言葉です。
自分より目上の人に使うことがほとんどになる言葉なので、そのような人に出向いてもらったことに対する感謝の意も同時に示していると言えるでしょう。
使う場面によっては、「ようこそいらっしゃいました」という多少和らいだ意味にもなり、どちらとして使っているかは使うシチュエーションと相手で区別できます。
「ご足労いただき」の類語と解釈
「ご足労いただき」を別の言葉で言い換えるとすると、「お呼び立てしまして」が一番近い表現になります。
ただし、こちらの場合は「ご足労いただき」を年配の人以外に使う場合の言い換えにはならないので注意してください。
この言葉は、「わざわざお越しいただきまして」の代わりに使える表現だと覚えておけば問題ないでしょう。
「ご足労いただき」の言葉の使い方
この「ご足労いただき」は、年配の人に出向いてもらった時、または冠婚葬祭などの特別な時に来場者に対して使う言葉です。
前者が本来の使い方だとも言えますが、後者でも「ようこそいらっしゃいました」という解釈で受け取ってもらえる為、そのような使われ方もよく耳にします。
「ご足労いただき」を使った例文・短文と解釈
「ご足労いただき」をつかった例文です。
上で説明している2つの使い方のケースについて、両方の例を挙げていきます。
「ご足労いただき」の例文1
「本日はわざわざご足労いただき、ありがとうございます」
相手が年配の人の場合、もしくは冠婚葬祭の時にもこの表現で構いません。
それぞれ意図する意味は多少異なりますが、どちらの場合でも相手に対し、丁寧に感謝の意を表現しています。
特に冠婚葬祭においては、来場者全てに対し、このような表現を使うのが礼儀です。
「ご足労いただき」の例文2
「この雨の中をご足労いただきましたが、今日のイベントは中止となりました」
何かのイベント会場で、雨で中止になったことを来場者に対して伝えている例になります。
冠婚葬祭の場合と同様に、このような場面でも使える言葉です。
このように、多数の来場者がある施設で「ようこそいらっしゃいました」という意を伝えたい時にも使える言葉だと覚えておきましょう。
「ご足労いただき」の例文3
「ご足労いただくには及びません」
自分より年配の人に対して、来てもらう必要はないということを言いたい時に使う表現です。
「〜いただく」と変化させていますが、他にも「〜いただかないと」と使うこともでき、「来てもらわないと始まらない」と言いたい時にはそのような表現がいいでしょう。
「ご足労いただき」の例文4
「こんな遠くまであの人にご足労いただくのは忍びないので、招待リストから外しておいた」
年配の人に遠くまで来てもらうのは悪いので、招待しないことにしたと決めたと言っている例文です。
このような言わば「独り言」であれば、「ご足労させるのも」使っても問題ありません。
ただし、人の前ではこのような言い方はしない方がいいでしょう。
「ご足労いただき」の例文5
「ご足労いただいたところで、特にメリットはないだろう」
その人に来てもらっても仕方がないと言っています。
文章の前半こそ丁寧な表現ですが、その全ての打ち消すかような後半部分と繋げて使っている例でもあります。
「〜いただいた」と使っていますが、このような変化をさせて使っても問題ありません。
尚、「〜ください」と使えば、「是非とも来ていただきたい」という意味として使える言葉です。