「万感胸に迫る」
人は生活をする中でたくさんのストレスにさらされています。
ストレスと言っても悪いものばかりでなく、「刺激」という意味で考えた時に良い刺激もあります。
そしてストレスにより喜怒哀楽様々な感情が生まれ、その中で胸がいっぱいになることもあります。
そんな時の心の状態・表現として「万感胸に迫る」と表されることもあります。
日常会話で使うもありますが、特別な場面や小説などで目・耳にすることはあります。
「万感胸に迫る」の意味
「万感胸に迫る」という言葉は急に感情が溢れてきた結果、胸がいっぱいになるという意味を持ちます。
「万感」という言葉自体の意味として色々な思い・感情・感慨とされています。
感情には喜怒哀楽がありますが、その種類は問われません。
広い意味での感情に胸が迫ると合わさることで「思いで胸がいっぱい」と意味を構成します。
またただ感情でいっぱいになるのではなく、それが急に起こることを意味しています。
そのため「迫る」と表現され、急激に感情が溢れてくる様子を含みます。
「万感胸に迫る」の言葉の使い方
日常で使うことのない言葉ですが、「万感」の使い方について感情は喜怒哀楽に限定されず、タイミングも問われません。
そのためどんな感情・過去現在未来いつに対しても使用の対象となります(過去・未来については今経験していなくてもその時を思い出す・想像することで生まれる感情も含めるため)。
使うタイミングは日常会話ではなく、スピーチや発表と言った公的な場での発言・書籍のような情報を伝える媒体などがほとんどです。
そして使う際は口語ではなく敬語で文を構成して使います。
そして使う際には何に対して「万感胸に迫る」状態になったかは伝えても具体的にどのような感情かを詳細に語ることはありません。
抽象的な表現として使われます。
「万感胸に迫る」を使った例文・短文(解釈)
「万感胸に迫る」という言葉は公的な場や文面などで感情を伝えるときに使います。
しかし普段使わないため、意味は知っていても使い慣れていない方も多いです。
そのまま急に言葉を使うと公的な場で失敗してしまいかねません。
それを防ぐためにもどのような使い方になるのか、例文とその解釈を紹介します。
「万感胸に迫る」の例文1
「今回の大会の参加は7度目ですが、初めて優勝することが出来ました。 念願の初優勝に万感胸に迫る思いです」
この場合、優勝した人は何度も優勝を目指して取り組んだ結果、念願の優勝を勝ち取りました。
うれしいという感情はもちろんですが、それ以外にも様々な感情が生じていっぱいになってしまい、うまく言葉にできないため「万感胸に迫る」と表現してまとめています。
「万感胸に迫る」の例文2
「私は何十年も前に株で億単位のお金を動かしていたんだよ。今はもうしていないが、その時のことを想像すると万感胸に迫る思いだよ」
この場合、「万感胸に迫る」という言葉は何十年も前の出来事(株のやり取り)を対象としています。
どれだけ昔のことでも思い出すと感情でいっぱいになってしまうことに加えて、本人とって忘れられない出来事であることを意味しています。
「万感胸に迫る」の例文3
「この景色を見ていると何とも言えない気持ちになる。まさに万感胸に迫る思いだよ」
この場合、景色を見て溢れてきた感情の表現となります。
景色を見て心うが貸されたが、具体的にどのような感情かを言葉にすることが出来ないため抽象的な表現を選び、「万感胸に迫る」が使われています。
「万感胸に迫る」の例文4
「部下からの手紙の中に『先日我が家に第一子となる子供が生まれました。これからの生活がどうなるか不安や期待で万感胸に迫る思いです』と書かれていた」
この場合、部下が上司に対して子供が生まれたことを報告しています。
部下の心情として子供が生まれたことでこれからどう変わっていくのか様々な感情が生まれています。
それを具体的にはなかなか表現できない・曖昧な言葉では失礼になるため、「万感胸に迫る」という言葉を使って伝えています。