ゲーム、バーチャル・リアリティ、SNSなど、現代には仮想の世界が溢れています。
その中で、人は実際の姿から離れて、なりたい自分になれます。
そして、本来の自分にはできないことも行えます。
しかし、どんな仮想世界であっても、その人の実質的な姿は変わらないことは忘れてはいけません。
それでは、ここで使われた「実際」とか「実質」という言葉はどのような意味でしょうか。
また、どう違うのでしょうか。
この記事では、「実際」と「実質」の違いを分かりやすく説明していきます。
「実際」とは?
「実際」とは、「現実に存在するもの」という意味です。
別の言葉にすると、「意識や想像の中だけにあるものとは違う本当のもの」と言うこともできます。
さらに、この言葉は、現代においては、そんなに強い意味を持たない、前置きの言葉として使われることも多くなっています。
英語では、「actual」、あるいは「real」がこの意味で近い言葉だと思われます。
「実質」とは?
「実質」とは、「実の性質」、あるいは「本来備わった内容」という意味です。
言葉を変えるなら、「形式的なものや見た目だけのものではなく、本質的なもの」とも言えます。
多くの場合は「実質的」という言葉で使用されることが多い言葉です。
英語では、「substance」が近いと思われますが、「実質的には」という意味でよく使われるのは「practically」です。
「実際」と「実質」の違い
「実際」と「実質」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、「空想や建前、形式では無く、本当のもの」という意味では同じであり、同じようなシチュエーションで使われます。
違いを明確にするために、それぞれの対義語を比較してみましょう。
「実際」の対義語は「想像」、「実質」の対義語は「形式」です。
ここから考えると、「実際」は「想像したものでなく本当のもの」であり、「実質」は「目に見えるものとは違う本当のもの」である、という違いが明確になってきます。
「実際」の例文
「実際」の例文は以下のようになります。
・『実際問題として、最も危険なのはプロジェクトコストが膨れ上がっていることです』
・『恐竜は、想像上の生物では無く、実際に存在が証明されています』
「実質」の例文
「実質」の例文は以下のようになります。
・『この委員会を動かしているのが、実質的には副会長であることは周知の事実です』
・『現在は、携帯の使用量が実質タダという謳い文句は禁止されています』
まとめ
この記事では、「実際」と「実質」の違いを、解説してきました。
私たちの周りに溢れている、仮想世界においては、人はなりたい自分になれると勝手に思っています。
しかし、それがどんなものであっても、結局はどんな状態であろうと、自分は変わらないものです。
したがって、現実世界であろうと、仮想世界であろうと、結局は自分を強く持って生きてゆくしかないのです。