人には向き不向きがありますが、物にも適正はあります。
特に使いやすいものに対して「おあつらえ向き」ということもありますが、言葉の使い方はわかっていても、由来や意味まで知らない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、「おあつらえ向き」の意味を分かりやすく説明していきます。
「おあつらえ向き」とは?意味
「おあつらえ向き」とは自分の希望した通りの状態になっていることや、そう言った状態の物という意味があります。
その状況に最適であったり、その時の要望や求められている条件に噛み合った、理想的な物や状況です。
また自分の手で用意や準備したものではなく、他人の手や偶然によって、最適な状況や状態になっていることという意味合いもあります。
他人の手で用意された物事だった場合でも、その相手に作らせたものではなく、その相手に探させたものが、偶然最適だったという場合の言葉です。
「おあつらえ向き」の概要
「おあつらえ向き」は漢字だと「御誂え向き」と書きます。
誂えは注文によって作ったものという意味で、向きは適性がある、適しているという意味です。
それらの言葉をあわせて、丁寧さや上品な言い方表現を示す御を付けた言葉が「御誂え向き」になります。
そのため「おあつらえ向き」の直訳的な言葉にすると、まるで注文した通りに用意されたかのような、という意味です。
あくまでも、されたかのようなという意味なので、実際に注文して用意したものだと意味が違うため、言葉も違ってきます。
「おあつらえ向き」の言葉の使い方や使われ方
「おあつらえ向き」という言葉が使われる場面は、ある程度運に左右される場面がほとんどです。
天気のような最適な状況になることを祈るしかない場面で理想的な状況になったり、専用の道具を用意していないからその場で代用できそうなものを探したら必要最低限以上に使えそうな物が見つかった場合に使われます。
自分で用意しきれなかった、あるいはできない部分が、運やタイミングによって最適な状態になったり、最適なものが見つかった時こそ、「おあつらえ向き」という表現の使い所です。
「おあつらえ向き」の類語や言いかえ
「おあつらえ向き」と似た用途で使われる言葉には「うってつけ」があります。
板を隙間なく釘で打ち付けたように、状況に対してピッタリなことを指す言葉です。
他には「おあつらえ向きの」なにかを「持って来いの」なにかと言い換えることもあります。
これは注文して用意させたというお誂え部分が、命令して持ってこさせたという形になっている言葉で、意味も言葉の形もほとんど同じです。
「おあつらえ向き」よりも言葉遣いはやや乱暴ですが、普段遣いしやすい言い換えと言えます。
まとめ
「おあつらえ向き」は似た意味を持つ類語の中では比較的丁寧な言葉として扱われます。
そのため日常会の中で使っても問題はありませんが、どちらかと言えばスピーチなどの言葉遣いを選ぶ必要な場面で使われることが多いでしょう。