この記事では、「ころ柿」と「干し柿」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ころ柿」とは?
渋柿の皮をむき、天日干しをしたものです。
柿には、次郎柿、富有柿、伊豆柿などさまざまな品種がありますが、「ころ柿」は大きめの品種が使用されます。
名前の由来は、干すときに太陽の光があたるように、ころころと位置を変えたことだとされています。
柿の位置を変えないと、一方からだけしか太陽の光が当たりません。
そうすると、部位によって乾燥具合が違ってしまいます。
ころころと位置を変えれば全体に光があたり、均一に乾燥させることができます。
水分量は25~30%程度です。
水分が少なくなると、柿に含まれる糖分が白い結晶になって柿表面に付着した状態になります。
地域によって若干違いがありますが、作られ始めるのは11月ごろです。
柄の部分をT字に残して収穫をした柿を、お尻の部分だけ皮を残した状態にむき、ビニールひもなどで縛って吊るします。
水分が減ると貯蔵性が増し、1か月ほど食することができます。
そのまま食べてもおいしいのですが、細く切ったものを酢の物に加えたり、ポタージュのようにしたりして食べることもできます。
「ころ柿」の使い方
干して水分量が25~30%ほどになった柿を指して使用する言葉です。
「干し柿」とは?
渋柿を干して乾燥させたものです。
柿にはさまざまな品種がありますが、小ぶりなものを使うことが多いです。
主に使われる品種は、甲州百目、市田柿、堂上蜂屋柿などです。
柿の皮をむき、紐などで縛って干して作られます。
日本では、長野県伊那谷、岐阜県美濃地方、富山県などで作られていますが、家庭でも作ることが可能です。
軒下など雨が当たらない場所に吊るします。
生産地では、カーテンのように並べられています。
渋柿はそのまま食べると渋みを強く感じます。
この渋みはタンニンによるものです。
干すとタンニンが水に溶けにくい性質に変わり、舌で感じにくくなるため、渋みが減ります。
そのまま食べることはもちろん、てんぷら、酢の物、パウンドケーキなどの菓子としても食べられています。
「干し柿」の使い方
干した渋柿を指して使用する言葉です。
「ころ柿」と「干し柿」の違い
どちらも同じ食べもので、呼び方が違います。
前者は甲州市、南アルプス市で主に作られています。
水分量が少なく、25~30%ていどです。
「ころ柿」の例文
・『ころ柿をお土産にもらった』
・『ころ柿が好き』
・『今日のおやつはころ柿』
・『うちの子の好物はころ柿』
「干し柿」の例文
・『柿がたくさんとれたので干し柿を作った』
・『干し柿を作る季節だ』
・『毎日のように干し柿を食べる』
・『干し柿を使ってお菓子を作る』
まとめ
どちらの言葉も柿を干した食べものを指しています。
特に甲州市や南アルプス市で作られている、水分量が25~30%ていどのものは「ころ柿」と呼ばれています。