「しゃにむに」とは?意味や使い方、例文や意味を解釈

「しゃにむに」とは?意味と使い方

この記事では、「しゃにむに」の意味を分かりやすく説明していきます。

「しゃにむに」とは?意味

がむしゃらに、ひたすら打ち込むこと。


「しゃにむに」の概要

「しゃにむに」とは、ほかのことに脇目も振らず、ひとつのことだけにがむしゃらに打ち込むことです。

漢字を使った表記では「遮二無二」となります。

これは江戸時代の18世紀ごろに使われるようになったとされる言い回しで、江戸時代より前から使われていた「差理無理」【しゃりむり】の音が変化したものではないかと考えられています。

「差理」は道理に合わないことを指し、「差理無理」「物事の筋道を無視して物事を押し進めること」という意味で使われていました。

それが、音の似た「しゃにむに」に転じたといわれます。

ただし「遮二無二」の語源ははっきりおらず、「遮二」「無二」が二つとないことを表し、後先を考えず一つのことだけに打ち込む様子を指してこの言葉が生まれた、という説もあります。

現代では、ひらがなで「しゃにむに」と表記して使う形が一般的です。

まれに、形容動詞「~だ」の連用形「~に」が使われていると誤解されることもありますが、形容動詞ではないので「しゃにむだ」「しゃにむな」といった使い方はできません。


「しゃにむに」の言葉の使い方や使われ方

「しゃにむに」は、人が何かに熱中する様子、全力で熱中して押し進める様子を表しています。

良い意味では「気を抜くことなく真剣に打ち込んでいる」「目標に向かって精進している様子」などを形容するときに使われます。

「周りや後先を考えず、ただ前に進むことだけに必死になっている様子」を表すときにも使えますが、この場合はあまり良い意味は持ちません。

いずれにしても、単に「頑張っている」「一つのことに集中している」といった程度で「しゃにむに」は使いません。

脇目もふらず打ち込んでおり、どこか押し迫った雰囲気が漂っている時にこの言葉を使うのが適切です。

「しゃにむに」の例文

・『彼はゴールに向かって、しゃにむに走り続けた』
・『第一志望校に合格するため、遊ぶ暇も惜しんでしゃにむに勉強する』

「しゃにむに」の類語や言いかえ

「しゃにむに」の類語は「がむしゃら」「一心不乱」【いっしんふらん】、「猪突猛進」【ちょとつもうしん】などです。

「がむしゃら」は、周りや後先のことを考えず、勢いだけで押し進むさまを指します。

音の響きも意味も「しゃにむに」と似ていますが、「がむしゃら」のほうが「血の気が多い、乱暴」というニュアンスが強く出ています。

「一心不乱」はほかのことに一切目を向けず、ひたすら一つのことに打ち込むさまを指し、「しゃにむに」とは非常に近いニュアンスを持っています。

「猪突猛進」は、イノシシのように猛烈な勢いで前進するという意味です。

「周りが見えていない、勢いだけに任せて突き進んでいる」という意味を持つところは「しゃにむに」と共通する部分があります。

それぞれの言葉は似た雰囲気を持っていますが、ニュアンスには微妙な違いがあるので、状況にあわせて使い分けるとよいでしょう。

まとめ

「しゃにむに」は江戸時代から使われてきた古い言い回しです。

現代は頻繁には使うこともありませんが、リズミカルな韻がおもしろく、使い続けていきたい言葉のひとつといえます。

ぜひ意味を正しく理解して上手に会話に盛り込んでいきましょう。

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