「つつがなく」とはどんな意味の言葉なのでしょうか。
今回は、「つつがなく」の意味と類似表現について解説します。
「つつがなく」とは?意味
「つつがなく」とは、「大きな問題がなく平穏なこと」を意味する言葉です。
「つつがなく」の概要
「つつがなく」は「つつが」と「ない」の組み合わせで成り立つ言葉です。
「つつが」は漢字で「恙」と表記し意味は「病気」です。
「つつがなく」の本来の意味は「病気がない」であり「体調をくずすことなく健康に過ごすこと」を表します。
現在ではそこから転じて「病気で体調を崩すようなトラブルに見舞われることなく無事であること」という意味で使われています。
一般的に「つつがなく」という表現は「トラブルや災難が起きる可能性があったが何事も無く無事であること」を指します。
結婚式などトラブルが起きやすいイベントが何事もなく無事に進んでいることを表す言葉として使われることが多く「トラブルの可能性はあったが関わる人達の努力や苦労のおかげで平穏が保たれている」というニュアンスが込められています。
「つつがなく」が表す平穏は「全体で見て大きなトラブルがない」ことを意味します。
小さなトラブルやミスなどがあったとしてもフォローしたり適切に対処したりして大きな問題に発展することなく全体の進行に支障をきたしていなければ「つつがなく」の範囲内です。
反対に終了間際までトラブルなく平穏に進んでいたとしても最後の最後に大きなミスやトラブルが起きたとしたら「つつがなく」ではありません。
「苦労しながらもなんとか無事にやっている」という意味合いが含まれている言葉なので最初からトラブルが起きる可能性の低い安心が約束されている場面ではあまり用いられない表現です。
ちょっとしたきっかけで大きく崩れてしまうような状況をがんばって支えているおかげで上手くやれているときに「つつがなく」という表現が用いられます。
「つつがなく」の言葉の使い方や使われ方
・『結婚式はつつがなく進行している』
・『細かいミスはあったが卒業式をつつがなく終えた』
・『来年はつつがなく一年を過ごしたい』
・『裕福でなくてもつつがなく暮らしていければ問題ない』
「つつがなく」の類語や言いかえ
・滞りなく
「止まったり停滞したりすることなくスムーズに進んでいること」を意味する言葉です。
イベントや式典などが予定通り進行しているときに用いられます。
多少のトラブルが起きたとしても全体として予定通りの流れで進んでいれば「滞りなく」という表現が使えます。
・問題なく
「差し障りのある問題が起きていないこと」を意味する言葉です。
「つつがなく」とはほぼ同じ意味合いですがより直接的な表現です。
・順調に
「物事が当初予定されたとおりに進んでいること」を意味する言葉です。
意味としては「つつがなく」とほぼ同様ですが「つつがなく」に比べると当事者の苦労や努力のニュアンスが薄めです。
まとめ
日常では余り使う機会のない「つつがなく」という表現ですが式典のあいさつなどでは定番の言葉です。
挨拶状などにも用いられる表現なのでただしい意味を知っておきましょう。