幸せではない状況を表す昔からよく使われる表現について見ていきたいと思います。
この記事では、「ひもじい生活」の意味を分かりやすく説明していきます。
「ひもじい生活」とは?の意味
この言葉の意味は『経済的に苦しい、特に食料に困るほどのライフスタイル』という意味を表しています。
単純に『ひもじい』という使い方でも問題ありませんが、強調する意味で『生活』という単語を付けたすことも習慣的に多い表現です。
「ひもじい生活」の概要
この言葉は『ひもじい』と『生活』という二つに分けられますが、最大のポイントは『ひもじい』の本来の意味が分かってるかどうかにあります。
果たしてこれはいったい何なのでしょうか。
実は『ひもじい』とは本来『空腹で食べ物が欲しい状況』や『ひどくお腹がすいている状況』を表す形容詞で決して『貧困』や『経済的困窮』を表す言葉ではないのが注意点です。
由来は『ひだるし』または『ひだるい』という言葉があり、なぜか『ひ』だけを取って『文字』をくっつけて名詞にした後更に形容詞にして出来上がっているというとてもややこしい背景を持っている表現です。
この様な言葉を『女房言葉』とといい室町時代ごろから宮中に仕えている女房という『房』と呼ばれる個人用の部屋を与えられて住む女官が使い始めた隠語の一つです。
主な例としては髪のことを『かもじ』と言ったり、杓子を『しゃもじ』と言ったりしています。
それ以外には頭に『お』をつけて丁寧にするなども少し脱線しますが、『女房言葉』の代表的な例であることも付け加えておきます。
「ひもじい生活」の言葉の使い方や使われ方
この様に『ひもじい』という言葉そのものには『貧しい』という意味は存在せず、単に『ひどく腹が減っている』という表現ですが、これに『生活』という言葉を付けることで『ひどく腹が減るような生活』つまり『経済的に困っている』という意味になりました。
これがだんだんと『生活』を省く機会が増えて『ひもじい=貧しい』というイメージが強くなってしまったのです。
今では『ひもじい生活』ではなく『ひもじい』でも『困窮した生活』という意味になる表現です。
「ひもじい生活」を使った例文(使用例)
・『生活費を全てギャンブルで使ってしまったので、次の給料日までひもじい生活を続けなければならない』
・『私が不甲斐ないばかりに家族にひもじい生活を強いらせてしまい本当に申し訳ない』
・『ようやく定職につけたからもう子供たちにひもじい生活をさせることはないだろう』
まとめ
如何でしたでしょうか。
『ひもじい』という言葉がただの『ひどい空腹の状態』を表している形容詞であり、由来は室町時代から続く『女房言葉』が続いているというのは意外ではないでしょうか。
実はこれ以外にも由来の一つとして西日本で使われる方言から来ているというものありますが、こちらは定かではありません。
深い言葉の歴史と意味の移り変わりを感じることのできる身近な表現の一つが今回の『ひもじい生活』でした。