本物があれば偽物もあるのが世の常で、様々なものにいろいろな形の偽物が存在します。
そう言ったものは、「エセ」や「ガセ」と付けて本物と区別され呼ばれる事が多いですが、その二つの使い分けはどういう基準かご存知でしょうか。
この記事では、「エセ」と「ガセ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「エセ」とは?
「エセ」には似ているけど違うもの、にせものという意味の言葉ですが、それと同時に劣っているもの、質が悪く、つまらないものという意味もあります。
一部の評論家が「エセ」評論家と言われているのは、その人が偽物という意味ではなく、後者の評論家としての質が伴っていないという意味です。
そのため「エセ」という言葉は、前者の偽物という意味で使う場合にも、後者の意味も踏まえた上で、使われます。
名詞の前に「エセ」とつけられて呼ばれているものは、本物に対して似ている部分もあるけれど、基本的には本物より劣化している、明らかに劣っているまがいものに対して使われる言葉と考えていいでしょう。
「ガセ」とは?
「ガセ」はお騒がせから来ている言葉で、噂や会話など、情報に関する偽物、いわゆる嘘や誤報を指して使われます。
実在する物体や人物に対する噂や情報に「ガセ」ネタがあったとしても、その物体や人物自体を「ガセ」と呼ぶ事はありません。
「ガセ」の話は、実際の情報と一部共通していることもあれば、一切共通点のない事実無根ということもあります。
また「ガセ」は、それを語る人がそれを嘘だと理解していないことという条件があります。
嘘だと理解している場合は「ガセ」ではなく、ホラやデマです。
それが本当だとも偽物だとも確定していないのに、聞きかじりや思い込みで本当だと信じ、場をムダに「騒がせ」る偽物の情報、と言うのが「ガセ」になります。
「エセ」と「ガセ」の違い
「エセ」と「ガセ」の違いを、分かりやすく解説します。
「エセ」は本物と比べて質が劣っている偽物に対して使われる言葉で、「ガセ」は嘘だと理解していない人が流す嘘を指す言葉です。
また「エセ」は偽物としては実在している人や物、あるいは口調などですが、「ガセ」は嘘の情報なので「ガセ」通りの人や物や事実は存在しないという違いもあります。
他にも「エセ」は、他人を楽しませるため、あえてステレオタイプなイメージ通りに振る舞う人を「エセ」何々人と呼ぶように、必ずしもネガティブな使われ方をするとは限らず、好意的な使われ方をすることもあります。
しかし「ガセ」は人を騒がせる偽情報のことなので、好意的な使われ方をすることはありません。
まとめ
「エセ」は劣化コピーのような偽物、「ガセ」は人騒がせな誤報と考えれば、使い分けは簡単にできるでしょう。
「エセ」と呼ばれるものは本物より劣っていたり違和感があるので偽物だとわかりやすいですが、「ガセ」は嘘だと誰にも気付かれず大事になることもあるので、「エセ」より「ガセ」の方が厄介です。