「スラム街」と「ドヤ街」の違いとは?分かりやすく解釈

「スラム街」と「ドヤ街」の違い違い

この記事では、「スラム街」「ドヤ街」の違いを分かりやすく説明していきます。

「スラム街」とは?

「スラム街」とは、都市部で極貧層が過密に居住する地区を指す言葉です。

こうした地区では、同じ都市のその他の地域で受けられるゴミ収集や水道・ガス・電気等の公共サービスが受けられない場合も多く、衛生状態が悪く、また貧しさゆえに治安も悪いのが一般的です。

世界中の多くの大都市にはスラム街が未だの存在しています。

日本では、東京や大阪等の大都市に、少しそうした雰囲気を持つエリアはありますが、公共サービスが受けられないと言ったひどい状況の所は、現在ではないと言えます。


「ドヤ街」とは?

「ドヤ街」とは、日雇い労働者が多く住む街のことを指す言葉です。

「ドヤ街」「ドヤ」とは「宿(ヤド)」を逆さにした言葉で、一般的には旅館業法に基づく簡易宿所を意味するものです。

従って「ドヤ街」とは、都市部において簡易宿泊所が密集して建ち並ぶエリアだと言う事も出来ます。

日本における「ドヤ街」としては、東京の山谷、横浜の寿町、大阪のあいりん地区が有名です。

こうした日本の「ドヤ街」は高度成長期の都市のビル建設やオリンピックや万博の建築現場の日雇い労働の仕事を求めて、日本各地から流れ込み形成されて来たものです。

最近では、高齢化と経済停滞による仕事の激減で「ドヤ街」も大きく変化しつつあるのが現実です。

例えば、大阪西成のあいりん地区では、簡易宿泊所が、世界中から来日する若いバックパッカー向けの格安なホテルにスタイルを変えたりしています。


「スラム街」と「ドヤ街」の違い

「スラム街」とは、都市部で極貧層が過密に居住する地区を指す言葉で、一方の「ドヤ街」とは、日雇い労働者が多く住む簡易宿泊所が建ち並ぶ街のことを指す言葉であり、異なる意味の言葉です。

「スラム街」で暮らす人達は、その国の中でも最貧層の人達が暮らしていますが、多くは家庭を持っており、劣悪な環境下ですが、子供達も普通に暮らしています。

それに対して「ドヤ街」に建ち並ぶ簡易宿泊所には、長期滞在し、暮らしている人達も少なくありません。

しかし多くの場合には、日雇いの肉体労働を求めて集まった人達のため、男性の一人暮らしが中心です。

こうした人達が、高齢化し、多くの人達が生活保護を受ける状態になり、新たな社会問題を生み出して来ました。

また高度成長期に「ドヤ街」に暮らし、一部の人は結婚して、その周辺に家庭を持って暮らしている事もあります。

従って、「スラム街」と言うほど酷くはありませんが、「ドヤ街」周辺では、貧しい層の家庭が多く、子供の貧困と言った社会問題も起きています。

かつて暴動等も発生し、最も有名な「ドヤ街」の大阪西成のあいりん地区は周辺を含めて、街全体が少し一般の街とは異なる雰囲気ですが、「スラム街」ではありません。

まとめ

「スラム街」とは、都市部で極貧層が過密に居住する地区を指す言葉で、一方の「ドヤ街」とは、日雇い労働者が多く住む簡易宿泊所が建ち並ぶ街のことを指す言葉であり、意味は異なります。

「スラム街」は最貧層が、家族で暮らす粗末な住居が密集して建っており、子供も多数暮らしていますが、「ドヤ街」には男性の一人暮らしが多く、その周辺に少し貧しい家族持ちの人達が暮らしていると言うのが、日本の「ドヤ街」のあるエリアの状況で、世界で言われている「スラム街」には当たりません。

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