相手に対する馴れ馴れしい口の聞き方を指す言葉として「タメ語」と「タメ口」があります。
このふたつの言葉は非常によく似た意味を持ちますが具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「タメ語」と「タメ口」の違いについて解説します。
「タメ語」とは?
「タメ語」とは、「同格の相手と話すときに使われる言葉」です。
対等な立場の相手と話すときに使う敬語でも丁寧語でもない言葉が「タメ語」です。
口調やふるまいではなく単語や品詞など言語そのものを指しています。
日本語には単語そのものに敬意や丁寧さが込められたものがあります。
「貴殿」「お掛けください」「召し上がる」などこれらの単語は単語自体に敬意が込められた表現であり、このような言葉使うことで相手に対して敬意を込めているということになります。
「タメ語」とはこのように言葉そのものに敬意が込められていない普通からやや下品な使われ方をする言葉を指します。
「あんた」「食う」「いいじゃん」など目上の人に対して使うのがふさわしくないどう書くかそれ以下の相手に対して使う言葉が「タメ語」に当たります。
「タメ語」の使い方
・あの人にタメ語を使って話すのはよくない。
・タメ語以外の語彙が少なすぎるのは大問題だ。
・知らないで使っているのかもしれないが、タメ語で話すのは本当に失礼なことだ。
・先生にタメ語を使っている時点で問題外だ。
「タメ口」とは?
「タメ口」とは、「同格の相手と話すときの話し方」です。
単語の選び方や口調、話法など話すという動作全般において経緯や丁寧さのない馴れ馴れしい話し方を指して「タメ口」と表現します。
一般的には非常に親しい人との間で使われる話し方ですが、見下した相手やバカにした相手に対して上の立場にあることをアピールする意味でわれることもあります。
「タメ口」の「タメ」とはもともと博打でサイコロの目が揃っていることを意味する言葉です。
ふたつの骰子の眼が同じであることから転じて「同い年」という意味で使われるようになり、さらには「立場や格が同じ」という意味になりました。
現在では「タメ口」といえば「敬語ではない話し方」全般を指します。
くだけた口調や馴れ馴れしい話し方など、あらたまった場面やかしこまる相手に対しては使われない日常的な話し方が「タメ口」です。
「タメ口」の使い方
・初対面なのにタメ口で話しかけてきた。
・年上に対してタメ口で話すのは失礼だろう。
・早く打ち解けたいのでタメ口で話すよう提案した。
・誰に対してもタメ口で話すのはトラブルのもとだ。
「タメ語」と「タメ口」の違い
「タメ語」と「タメ口」の違いは「言葉と話し方」です。
「タメ語」は同格の相手と話すときに用いられる単語や品詞など言葉そのものを表します。
「タメ口」は同格の相手と話す時の話し方全般を指す言葉で、単語選びだけでなく口調など話すという行為そのものを意味しています。
「タメ口」で話すときに使われている言葉が「タメ語」です。
まとめ
「タメ語」と「タメ口」は意味が非常に親しく混同しやすいですが、それぞれ指しているものは全く異なります。
関係性としては「英語」と「英会話」の関係性に近いのでしっかり違いを理解しておきましょう。