駆け引きや交渉で使われる言葉のひとつに「ブラフを張る」があります。
この言葉はいったいどういった意味を持っているのでしょうか。
今回は、「ブラフを張る」の意味と類似している言葉について解説します。
「ブラフを張る」とは?意味
「ブラフを張る」とは、「本来の実力以上に見せかけること」という意味の言葉です。
「ブラフを張る」の概要
「ブラフを張る」はもともとはギャンブル、特にトランプを使ったカードゲームで使われている専門用語です。
ポーカーなど手札の強さで勝敗を争う種類のカードゲームでは相手がどんな手札を持っているかの予想が勝敗に直結する重要な要素になります。
手札を巡ってはさまざまな駆け引きが行われますが「弱い手札しかないのにさも強い手札が揃っているかのように見せかけること」を「ブラフを張る」と表現します。
ポーカーでは強い役が揃っている時ほど大きく勝つチャンスです。
チップをたくさんかけて大勝負に出るのは相手よりも強い札が揃っているときというのが定石ですが、そのような定石をあえて逆手に取る行動が「ブラフを張る」です。
弱い手札しか揃っておらずこのままでは勝負に負けてしまうときにえてチップをたくさんかけると相手は「強い手札が揃っているのでは?」と推測します。
こちらの手札を強いものだと思い込ませることに成功すれば相手は勝負を下りるという選択をし、弱い手札でも勝負に勝つことができます。
このように「実力がないのに差もあるかのようにみせかけて勝とうとすること」を指して「ブラフを張る」といいます。
本来は勝負ごとで勝つために行われる行為を指す言葉ですが、そこから転じて「自分のためのウソをつくこと」「自分を大きくみせること」全般に対して「ブラフを張る」という表現が使われるようになっています。
「ブラフを張る」の言葉の使い方や使われ方
・ワンペアしか揃っていないがチップをオールインしてブラフを張る。
・より良い結果を得るためにはブラフを張ることもいとわない。
・ブラフを張るのは構わないが失敗したときのリスクも考えておきなさい。
・アイツはブラフを張るばかりで全く中身が伴っていない。
「ブラフを張る」の類語や言いかえ
・ハッタリをかます
「強い口調や態度で脅すように自分を優れているかのように見せかけること」という意味の言葉です。
実力や実績以上であるかのように見せかけるというところが「ブラフを張る」と共通している類語の一種です。
「ブラフを張る」が相手の推察でそう思わせようとしている様子を表すのに対し、こちらは強い口調や高圧的な態度など相手に圧力をかけ力ずくでコチラの主張を通そうとする様子を表します。
・口三味線を弾く
「言動により相手を思うように誘導すること」という意味の言葉です。
もともとの意味は「相手の話に調子を合わせる」というものでしたが、そこから転じて「口で三味線の音を真似るような偽物や虚言」を指す言葉として使われるようになり、さらに転じて「嘘で人を惑わせて操る」という意味になりました。
主に麻雀で使われる一種の専門用語ですが現在では一般にも広がりウソで人を惑わせたり偽りの言葉で欺くことを「シャミセン」と表しています。
まとめ
「ブラフを張る」はもともとはギャンブルの専門用語ですが、現在では広く一般に使われる言葉として浸透しています。
見栄っ張りやホラ吹きなど我々の身近にも見られるものなので正しい意味を知っておきましょう。