この記事では、「ブローカー」と「問屋」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ブローカー」とは?
「ブローカー」とは、商行為の媒介を業とする仲立人のことを指す言葉です。
一般にはもう少し広義に使われ、取引相手の探求・紹介だけでなく取引契約の円満な実現を誘導し,成功すれば手数料を得るビジネス全般を指す意味で使用されています。
商品・手形・為替・保険・船舶・通関などの多くの業界で、「ブローカー」の仕事が存在しています。
この「ブローカー」は英語表記では「broker」となります。
「問屋」とは?
「問屋」とは、生産者・輸入業者・一次卸売業者などから商品を仕入れ、主として最終消費者以外に対して販売を行う流通業者の事を指す言葉です。
現在ではこの「問屋」は「とんや」と読んでいますが、この業態は中世から存在し、かつては一般的に「といや」と読んでいました。
また一般的に使う頻度は減少してますが、「問屋」はあることを一手に引き受けている人を指す言葉としても使われています。
この使用方法として、『彼は悪事の問屋と言える悪者です。』の様に使用されます。
「ブローカー」と「問屋」の違い
「ブローカー」の仕事内容は多様化しており、少し異なるビジネスモデルもありますが、一般的にはメーカー等から品物を仕入れて販売するのではなく、販売を何らかの手法でサポートし、売上に対してマージンを得る業態を指します。
例えば、街の不動産屋さんや保険代理店をイメージすれば理解しやすいでしょう。
こうした業種では、不動産を住宅会社等から仕入れて消費者等に販売している訳ではありません。
住宅会社や一般消費者の住宅を仲介して販売して、その手数料で稼いでいるのです。
保険代理店も同様で、保険商品を保険会社から仕入れて販売しているのではなく、委託を受けて販売をして手数料を稼ぐ業態です。
それに対して、「問屋」はメーカー等から商品を仕入れ、それを「2次問屋」や小売店等に販売している業態です。
(もちろん、問屋の中には一般消費者にも一部を販売している所もあります)
また、「ブローカー」は自分で自由に販売価格を決める事は出来ませんが、「問屋」は自由に決める事が出来ると言う違いもあります。
以上の様に、2つの商取引・流通を担う業種や仕事は、基本的には異なる儲け方をしており、「ブローカー」と「問屋」は違うものなのです。
ちなみに、ニュース等で「悪徳ブローカー」と言う言葉を聞く事が多いためか、一部の方は「ブローカー」は胡散臭いビジネスだと勘違いされておられますが、決してそうしたニュアンスのある言葉ではありません。
まとめ
日本での「ブローカー」の定義が定まっていない事もあり、以下の違いにスパッと当たらないケースもありますが、「問屋」は仕入れたものを自分で値付けして、「2次問屋」や小売店等の一般消費者以外に販売する業態で、「ブローカー」は委託を受けて仲介的な仕事を行い、手数料収入を稼ぐ業態と言う違いがあります。
「ブローカー」は自分で好きに値付けできないと言う違いもあります。