ものづくりの現場では目的によって様々な生産方式が取られています。
どれも一長一短があり、完璧な生産方式というものは存在していません。
企業は利益や効率を上げる為に様々な生産方式を工夫しています。
我々一般人にもおなじみなのは日本が誇る世界の自動車メーカであるトヨタの『トヨタ生産方式』と呼ばれるものです。
それ以外にも『セル生産方式』など様々な新しい生産方式が生み出されています。
その中でも『ロット生産』というものがあります。
最近ではこの生産方式から発展したものを採用している企業が多いですが、ベースになる考えとして未だに採用をしている企業も存在します。
この記事では、「ロット生産」の意味を分かりやすく説明していきます。
「ロット生産」とは?の意味
意味としては『ロットという生産単位を決めてこの単位別に生産をする方式』です。
これはどういう意味でしょうか。
まず、『ロット』とは『Lot』という英語から来ており、意味は『仕様や部品を生産単位としてまとめた数量』を指します。
製造業ではおなじみの言葉で、よく『最小発注ロットは1万個からお願いします。』などが購買や生産管理などの現場では使われています。
「ロット生産」の概要
『ロット生産』は『ロット』というある程度のまとまりをベースに生産と管理をして行きます。
これが何を表すかというと、『ロット』の数が大きければ大きいほど、工場の設備や人員などを組み換えをする頻度が少なくなりますので効率的に生産ができ、コストが低く抑えられますが、細かい変化に対応できません。
反対に『ロット』の数が少ないと、生産効率は設備や人員の組み換え頻度が上がってしまうので下がりますが、様々な種類の製品を作ることが出来ます。
『ロット』を決めるのは製造業運営でとても重要なポイントですが、『ロット生産』はもっぱら『少量多品種』に対応する為に使われています。
これを行うことで、ロット単位で生産だけでなく、実績や進捗、品質の管理を細かくすることが出来ます。
「ロット生産」の言葉の使い方や使われ方
『ロット生産』とは上段でご紹介した通り、生産方式の一つですので、使われ方は工場や生産管理の方のみのとても限定された専門用語であるといえます。
一般的にはロット数が大きいのが効率的とされていますが、これに異議を唱えたのが『トヨタ生産方式』でした。
詳しい内容は割愛しますが、その企業の持つ経営思想で大きく変わるのが生産方式の面白い所です。
我々一般人が覚えておきたいのは『ロット』という言葉です。
仮に製品が不具合を起こしたり、不良品だったりする場合にとても便利で、カスタマーセンターなどに、製品名とロット番号を伝えることが出来れば、瞬時にどの様な工程で作られたのかを製造元が調査できます。
製造業ではロット番号をベースに品質管理と記録を行っています。
これを『トレサビリティ』と言います。
「ロット生産」の類語や言い換え
もう一つ有名な言い換えとしては『バッジ生産』というものがあります。
意味は殆ど一緒ですが、医療製品業界などでは『ロット』と『バッジ』の定義がはっきりと分かれています。
イメージはロットよりさらに細かい単位が『バッジ』です。
しかし、一般的な使われ方としてはほぼ同じ意味を持つものとして使われていますし、一般の方にはあまり関係のない表現でもあります。
まとめ
如何でしたでしょうか。
今回は少しマニアックな製造用語である『ロット生産』について見てきました。
生産方式というのは今も新しい考え方が誕生し採用されています。
より良い製品を効率よく生産し、企業の利益を上げる為にこれからも新しい生産方式が我々の社会を支えてくれることでしょう。