心理学で使われる「ロールシャッハテスト」とはどんなものなのでしょうか。
今回は、「ロールシャッハテスト」の意味と類語について解説します。
「ロールシャッハテスト」とは?意味
「ロールシャッハテスト」とは、「深層心理を知るために行われる性格検査」を意味する言葉です。
「ロールシャッハテスト」の概要
心理学では人の心の奥深くに潜む考えや試行を「深層心理」といいます。
深層心理は本人も自覚していないことが多く、その人の言動に強く影響を及ぼしているものの表面上のふるまいからだけではうかがい知れないのが特徴です。
見えない部分に隠されている深層心理を知ることが人の思考や心のあり方に近づく手段であると心理学では考えられていることからこころの深い部分を知るための方法や手段が開発されました。
「ロールシャッハテスト」は深層心理を探るための性格検査の一種です。
「ロールシャッハテスト」には紙とインクを使用します。
まず紙にインクを垂らして二つ折りにします。
開いた紙には自然に作られたインクの染みが模様を描いていますが、検査官は被験者に対してインクの染みでできた模様を見せて何に見えるか、どんなイメージが浮かんだかを尋ねます。
被験者は心に思い浮かんだ素直な気持ちを回答し、検査官は回答を分析し心の奥に潜む深層心理を分析します。
「ロールシャッハテスト」で重要なのは「無意識のうちに心に浮かんだイメージこそが深層心理につながる」という心理学における基本的な考え方です。
「ロールシャッハテスト」で用いられるインクの染みが作った図形は誰かが意図したものではない偶然の産物です。
たまたまできたインクの染みが何に見えるのか、染みと別のものを結びつけるイメージの源は被験者の心の中、それも本人が自覚しないほど深い深層心理に強く影響されます。
直感的であればあるほど、つまり社会的な立場や相手の反応など余計なことを考慮せずこころのおもむくままに答えるほど飾り気のない素直で率直な自分の気持がそのまま回答に表れます。
「ロールシャッハテスト」は普段対面や世間体を気にして無意識のうちにごまかされてしまいがちな本音を本人にそうと意識させることなく引き出すテストです。
「ロールシャッハテスト」の言葉の使い方や使われ方
・『精神科でロールシャッハテストを受ける』
・『ロールシャッハテストの結果によると詐欺師に近い心理傾向が見られるという結果が出た』
・『ロールシャッハテストは人によって回答が異なるのが特徴だ』
・『いい加減な方法でロールシャッハテストをするのは危険である』
「ロールシャッハテスト」の類語や言いかえ
・投影法
「図形や言葉などあいまいなものを提示し関連する言葉を回答させて心理を探る性格検査手法」を意味する言葉です。
「あいまいな図形や言葉には無意識の考えが投影される」という考えに基づく性格検査であり「ロールシャッハテスト」は「投影法」の代表的な検査です。
まとめ
心理学ではポピュラーな「ロールシャッハテスト」ですが生半可な知識で正確を分析するのはとても危険です。
人の性格や心理を中途半端なテストで決めつけるようなことのないように軽々しく実施してはいけません。