「一律」と「一定」の違いとは?分かりやすく解釈

「一律」と「一定」の違い違い

この記事では、「一律」「一定」の違いを分かりやすく説明していきます。

「一律」とは?

「一律」には4つの意味があります。

1つめは、一つの音律です。

律とは、日本や中国音楽での音程の単位です。

十二音律の音の高低を表しています。

「一律」は全音の半分、つまり半音になります。

2つめの意味は単一の調子です。

調子が複雑でないさまを意味しています。

3つめは、物事の調子がすべて同じようで変化がないことです。

たとえば、おもちゃの列車をレールの上に走らせたとします。

ぐるぐるとずっと同じ速度で進んでおり、変わることがありません。

このさまを「一律な速度」と表現できます。

4つめは、対象となっている複数のものを、すべて同じとしてしまうことです。

「カゴの中の商品は一律2割引」と表示されていたとします。

このカゴの中には複数の商品が入っています。

「一律」なので、カゴの中に入っているすべての商品が2割引になります。

ある商品は1割引、ある商品は2割引といったようにはなりません。


「一律」の使い方

対象となる複数のものを、意図的にすべて同じにするという意味で使用をします。

このとき例外はありません。


「一定」とは?

「一定」には3つの意味があります。

1つめは、一つに決まっていて変わらないです。

「一定の収入」のような使い方をします。

会社に勤めている人は、毎月決まった額の収入を得ていることでしょう。

月によって大きく変わることはありません。

一つに決まった額が毎月入ってきているので「一定」です。

2つめの意味は、順番ややり方が決まっているです。

仕事に応募するときに使用する履歴書は、書き方に決まりがあります。

志望動機がある・なしなどの多少の違いはあるものの、氏名・住所・経歴は書く欄が必ずあります。

この部分は書くようにと決まっていることで「一定の書式」といいます。

3つめの意味は、ある傾向・状態に安定するです。

あるとき急に売れはじめ、あるとき急に売れなくなる。

このような状態は「一定」が意味するものではありません。

コロコロと変わらない傾向・状態を意味しています。

「一定」の使い方

一つに決まって変わらないという意味合いで使用をします。

「一律」と「一定」の違い

変化がないという意味が似ていますが、やや意味合いが異なります。

前者は調子についてを意味しています。

後者は一つに定まって変わらないことを意味しています。

また、やり方や順序が決まっていることもいいます。

「一律」の例文

・『一律オンラインで授業をします』
・『一律5000円を支給します』
・『部活動は一律禁止します』
・『クラスの生徒を一律に扱う』

「一定」の例文

・『一定量を確保することができた』
・『体温を一定に保つ』
・『毎年一定の額が支給されます』
・『一定の確率』

まとめ

変化がないという意味が似ている2つの言葉ですが、一方は調子について、もう一方は定まって変わらないことについてを意味しています。

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