日本語の文章を書いているとき、英語を日本語に訳しているとき、言葉の微妙なさじ加減に迷うこともあると思います。
この記事では、「一緒に」と「共に」の違いを分かりやすく説明していきます。
小さな差を知って、周囲に差をつけてみてください。
「一緒に」とは?
一緒にとは、2人以上で同じことをすること・2人以上で同時に同じことをすることを表現した言葉です。
「一緒に遊ぼうね」や「一緒に行きましょう」など、相手をお誘いするフレーズとしてよく使います。
みんなで集まって何かをする時に、よく使われる言葉です。
ちなみに一緒の「緒」には、糸や紐という意味があります。
太いロープは何本もの紐が組み合わさって作られているように「一緒」にも2人以上で力を合わせて何かを作り上げるというイメージがあります。
辞書を引くと一緒には「一所に」と書かれていることもあります。
この場合の一緒には、同じという意味があります。
「好きな食べ物が一緒だ」というのは「好きな食べ物が同じだ」というニュアンスです。
「共に」とは?
共にとは、2人以上が同じ状態であることを指した言葉です。
同じことをする時にも「共に」をつかいます。
また人以外にも、大自然などの風景に対して使う場合もあります。
「共に」の「共」には、手と手を取り合ってという意味があります。
神さまにお供え物をする時に、両手をつかっていたことから、この字が生まれました。
「翌日、父と共に出発した」や「春風と共に、嵐がやってきた」などの使い方をします。
もともと神様に対して使われた言葉なので、言葉のどこかに凛とした美しさも秘めているのが「共に」です。
会話文としてカジュアルに使われることは少なく、小説などの文章におごそかに登場することが多いです。
「一緒に」と「共に」の違い
同じ行動や状態を表現している「一緒に」と「共に」。
似ている言葉ですが、使われ方に違いがあります。
「一緒に」と「共に」の違いを、分かりやすく解説します。
・カジュアルか真面目か 一緒にという言葉は、友達同士や家族の間での会話でよく使う言い回しになります。
「一緒に~しよう」と言えば、相手に何かをもちかける表現になります。
それに対して「共に」というのは、少し格式ばった表現になります。
「一緒に」と同じように、同じ行動をとる・同じ状態になるという意味はもちろんありますが「一緒に」に比べて礼儀正しさ・折り目正しいニュアンスが強く含まれます。
気楽に話したいときは「一緒に」を。
目上の人に対してうやうやしい態度で伝えたいとき、文書に書くときは「共に」がおすすめです。
まとめ
同時に同じことをするという意味の「一緒に」と「共に」。
どちらも似ている表現になりますが、日常会話でつかわれやすいのが「一緒に」。
文章で描かれやすく、うやうやしさが出るのが「共に」になります。
シーンや場に応じて、ベストな選択肢を選んでいきましょう。