「一部始終」とはどんな意味をあらわす言葉なのでしょうか。
今回は、「一部始終」の意味と類似表現について解説します。
「一部始終」とは?意味
「一部始終」とは、「物事の始めから終わりまで全部」を意味する言葉です。
「一部始終」の概要
「一部始終」とは「物事の期間のうち最初から最後までかけることなくすべて」を意味する表現です。
「一部始終」の「一部」が表しているのは「全体のうちの一部分」ではなく「書物一冊」です。
書物や冊子などを数えるとき一部二部と数えますが「一部始終」の一部も「書物まるごと一冊」を意味しています。
「始終」はそのまま「始めから終わりまで」を表すのでふたつの言葉を組み合わせた「一部始終」は「書物一冊の始めから終わりまでまるごと」を指しています。
一般的に「一部始終」という言葉が使われるのは「最初から最期までの詳しい事情すべて」を意味する場合です。
漠然と始まりから終わりまでを知っているのではなく「人に説明できるくらい詳しくすべてを知っている」ことを表します。
始めから終わりまでに加え裏事情や関連情報など「物事を取り巻く状況や情報すべて」という意味でも使われます。
この場合は見聞きした事実に加えなぜそのようになったのか、その後どうなったのかなど直接的な始まりや終わりには含まれないものも「関係するすべて」という意味で使われる場合には要素に取り入れられます。
ただし、推測や憶測など事実ではないことを含めてしまうと「一部始終」から外れてしまいます。
「一部始終」とは「事実として確認できる始まりから終わり」を意味する言葉なのでそれ以外の要素を含んで客観性が欠けてしまうと言葉として成立しなくなってしまいます。
「一部始終」の言葉の使い方や使われ方
・『事件の一部始終を目撃してしまった』
・『警察では一部始終を詳しく説明した』
・『一部始終を詳しく説明されたがさっぱり理解できない』
・『事件の一部始終を映画化する』
「一部始終」の類語や言いかえ
・いきさつ
「物事がどうしてそのようになったのかその理由や経緯」を意味する言葉です。
「一部始終」が物事の全体を意味するのに対し、こちらはそれよりも前のそうなるのに至った理由や経緯を表します。
「一部始終」には欠けている導入部分を意味する言葉であり「いきさつ」から始まって「一部始終」へと進んでいく流れです。
・てんまつ
「物事の始まりから終わりまでの詳しい事情」を意味する言葉です。
非常によく似た意味を持つ言葉ですが「一部始終」が客観的な事実を重視しているのに対し、こちらは関係各位の思惑やその後の行方など事実を取り巻く事情を強調している表現です。
・一から十まで
「あますところなく全部」を意味する言葉です。
物事のすべてをあらわす言葉で「一部始終」とはよく似た意味合いですが「一部始終」が始まってから終わる時間的経過を含む物事に使われるのに対し、こちらはすでに全体が完成しているような時間経過を含まないものに対して用いられる表現です。
まとめ
「一部始終」は日常生活でも使われる表現です。
ニュースなどでも使われるほか小説やドラマなどフィクションにもしばしば登場する言葉なので正しい意味を知っておきましょう。