この記事では、「下手」と「苦手」の違いを分かりやすく説明していきます。
「下手」と「苦手」の違い
「下手」と「苦手」の違いについて紹介します。
「下手」と「苦手」の使い方の違い
「下手」は、「好き嫌いに関わらず、技術が劣っていること」に使われます。
元々嫌いでできないこと、好きでも出来ないことを言います。
「苦手」は、「好きではなく、更に得意でないこと」に使われます。
自分が嫌いだと思い、実際にやってみても結果が伴わないことを言います。
「下手」と「苦手」の英語表記の違い
「下手」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「poor」で、「貧しい」「哀れな」「下手」という意味です。
“I am poor at skiing.”
(私はスキーが下手です)
2つ目は「not good at」で、「良くない」「下手」という意味として中学校で習うフレーズです。
“I am not good at cooking.”
(私は料理が下手です)
因みに、一言で「へたくそ!」と言う時のスラングは以下の通りです。
“You suck!”
「苦手」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「difficult」で、「難しい」「困難な」「苦手な」という意味です。
“It is difficult for me to keep my room clean.”
(私は自分の部屋をキレイに保つことが苦手です)
2つ目は「don’t really like」で「実は好きではない」=「ちょっと苦手」と言うニュアンスです。
“I don’t really like a green pepper.”
(ピーマンはちょっと苦手です)
因みに、一言「苦手です」と言う時は以下の通りです。
“No, I can’t.”
「下手」の意味
「下手」は「へた」と読み、以下の3つの意味があります。
「しもて」と読むと、「苦手」との比較にならない為に、今回は「へた」で説明します。
1つ目は「ものごとのやり方が巧みではなく、手際が悪いこと」という意味で、やることが、一般的な規準よりも明らかに劣ることを言います。
2つ目は「中途半端なことをして結果が悪くなること」という意味で、やらない方がいいことを言います。
3つ目は「満足できる程度ではない」という意味で、ある物を他の劣るものと比較する時の言葉です。
上記に共通しているのは「良い状態ではない、好ましくない」という意味です。
「下手」は「端(はた・へた)」が変化した言葉で、「奥深くない」という意味から来ています。
「下手」の使い方
「下手」は、「技術的に劣っていたり、手際が悪いこと」「中途半端なこと」「満足でないこと」に使われます。
名詞・形容動詞として「下手だ・である」と使われたり、「下手です・でした」と使われたり、「下手に」ととして使われたり、「下手な〇〇」と名詞を修飾して使われたりします。
「下手」は、あくまで技術が劣っていたり、好ましくない状態になることであり、取り組む人の「好き・嫌い」には関係ありません。
どんなに好きでやっていても「下手なまま」のこともあるのです。
「下手」を使った例文
・『私の上司は部下の使い方が下手で結果が出せずにいる』
・『私はカラオケが下手なので順番を飛ばしてください』
・『彼は下手な芝居をしてもすぐに顔に出るのでバレる』
・『下手に口出しすると責任を負わされかねないぞ』
・『下手なボーカリストよりも彼の方がすごいと思う』
「下手」の類語
・「不得手(ふえて)」
「あることに熟達していなかったり、ぎこちない様子のこと」という意味です。
「彼は書道が不得手の様だ」などと使われます。
・「不器用(ぶきよう)」
「手先が器用でないこと」「ものごとのやり方が下手なこと」「道理から外れていること」という意味です。
「彼は不器用で女性に対してお世辞も言えない」などと使われます。
「下手」の対義語
・「上手(じょうず)」
「ものごとを扱う技術が高く、手際が良いこと」という意味です。
「彼女は世渡り上手でチャンスをモノにしている」などと使われます。
「苦手」の意味
「苦手」は「にがて」と読み、主に以下の2つの意味があります。
1つ目は「相性が悪くて良くない結果になることの多い、嫌な相手」という意味で、戦っても勝てなかったり、会話が噛み合わない相手がいることです。
2つ目は「得意でないこと」という意味で、うまくできない物があることを言います。
上記に共通するのは「うまくできない」という点です。
「苦手」は、基本的に得意ではなく、自分でも好きだと思わないことを言います。
嫌いでやらない為に、いつまでも上達しなかったり、うまくできないことで嫌いになってしまうなどの相互作用があります。
「苦手」の使い方
「苦手」は「自分が嫌だと思っていて、うまくできないこと」に使われます。
名詞・形容動詞として「苦手だ・である」と使われたり、「苦手とする・とした」「苦手になる・なった」などと使われます。
「苦手」は本人が「嫌いである」という意味も含んだ言葉で、本人がイヤイヤやるものごとに使われる言葉です。
「苦手」を使った例文
・『どうしても苦手なタイプの上司がいるお蔭で、会社に行くのが憂鬱になる』
・『苦手なピーマンを克服したいと思っている』
・『彼女は、国語は得意だが数学は苦手だ』
・『海外勤務を希望するなら苦手な英語を何とかしないといけない』
・『どうもあのチームは苦手で連敗している』
「苦手」の類語
・「弱み(よわみ)」
「その人が自分で弱いと思っている部分」という意味です。
「彼女に弱みを握られてしまって不安だ」などと使われます。
・「泣き所(なきどころ)」
「打たれると泣くほど痛く感じる部分」から転じて「弱みや弱点」という意味です。
「弁慶の泣き所を思い切りぶつけて死ぬほど痛かった」などと使われます。
「苦手」の対義語
・「得意(とくい)」
「自分の思い通りになり満足すること」「誇らしく思うこと」「最も自信があり、うまくできること」という意味です。
「彼は数学で90点を取って得意になっている」などと使われます。
まとめ
今回は「下手」と「苦手」について紹介しました。
「下手」は「好き・嫌いに関わらずうまくできないこと」、「苦手」は「嫌いでうまくできないこと」と覚えておきましょう。