「濫用」と「乱用」の違いとは?分かりやすく解釈

「濫用」と「乱用」の違いとは?違い

この記事では、「濫用」「乱用」の違いを分かりやすく説明していきます。

新聞等で見かけることがある、この二つの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか。

「濫用」とは?

「濫用」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。

「濫用」「らんよう」と読みます。

「濫用」には「一定の基準や限度を超え、むやみに使うこと」という意味があります。

商品や製品を使う場合、使用方法などをチェックすると、通常定められている基準や限度があるものです。

しかし、そのような使用方法を無視したり、限度を超えて使用するようなとき、「濫用」という言葉を使うことになります。

例えば、風邪薬があるとき、成人は一回2錠、一日3回までなどという用法が、風邪薬ごとに定められています。

それを無視して、一回に10錠の風邪薬を飲むような行為は、「濫用」となります。

もともと「濫用」「濫」という文字には、「水をのぞきこむ」という意味があり、「地中から噴き出す泉」を意味するとされています。

このような由来によって、「みだれる」「あふれる」という意味が生まれたと言われています。


「乱用」とは?

「乱用」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。

「乱用」「らんよう」と読みます。

実は「乱用」の意味も、「濫用」と同じで、「一定の基準や限度を超えて、むやみやたらに使うこと」という意味があります。

「乱用」「乱」には「みだれる」という意味があり、「濫」と同じ意味があるためです。

使い方も同様で、先述した例のように「風邪薬を乱用する」という使い方をすることができます。

また、「科学を乱用する」「特権を乱用する」などという使い方をすることができます。

同時に、「科学を濫用する」「特権を濫用する」というように、「乱用」「濫用」に置き換えても、同じ意味になります。


「濫用」と「乱用」の違い

「濫用」「乱用」の違いを、分かりやすく解説します。

「濫用」「乱用」の違いは、意味の違いではありません。

そもそも「らんよう」「濫用」しかなかったのですが、ある時期に「濫用」という漢字が、「当用漢字」の削除候補に挙げられたことがあり、その時に、「乱用」という文字が生まれました。

しかし結果的に「濫用」は現在も「常用漢字」として使われているため、「濫用」「乱用」が並立することになっています。

一般的に使用されているのは、後発の「乱用」になります。

一方の「濫用」は法律関係の言葉として使われることが多くなっています。

たあし、どちらの「らんよう」を使っても意味は同じで、間違いでもありません。

このような時代背景の違いによって、まったく同じ意味を持つ2つの言葉が生まれることになったことを覚えておきましょう。

まとめ

「濫用」「乱用」の違いについて見てきました。

実は両者には意味の違いがなく、どちらを使っても意味は同じで、間違いでもありません。

さらに「乱用」の方が一般的だということを覚えておきましょう。

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