この記事では、「不祥事」と「不始末」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不祥事」とは?
関係者にとって、不都合なことや事件、好ましくないことや事件を意味する「不祥事」。
一般的に社会からの信用、信頼を失うような行為を意味するものとなります。
「不祥事」の場合、個人が起こしたものでも、企業や団体が起こしたものでも、共通し「不祥事」と言います。
そのため、誰が起こしたのか関係なく用いることができる言葉です。
同じような意味を持つ言葉には、「汚職」や「不正事実」、「問題行動」、「スキャンダル」などがあります。
「不祥事」の使い方
「不祥事」は基本、「起こす」、「起こる」と一緒に用いられます。
「不祥事を起こす」や「不祥事が起こる」などです。
そのほか、「不祥事に巻き込まれる」や「不祥事が続く」、「不祥事の責任をとる」などといった使い方もあります。
「不始末」とは?
「始末」に否定の「不」が付き「不始末」です。
「始末」には、始まりと終わりといった意味があり、その言葉に「不」が付く「不始末」には、後始末の仕方が悪いといった意味のほか、人に迷惑をかけるような行為、といった意味があります。
同じような意味を持つ言葉には、「不行き届き」や「無用心」、「不謹慎」、「失体」、「不注意」などがあります。
「不始末」の使い方
なんの「不始末」なのかを意味する使い方として、「火の不始末」や「他人の不始末」、「家族の不始末」などがあります。
そのほか、「不始末をしでかす」や「不始末の処理」、「不始末を見つける」などといった使い方も行います。
「不祥事」と「不始末」の違い
「不祥事」は、関係者にとって、不都合なことや事件、好ましくないことや事件を意味し、「不始末」は、後始末の仕方が悪い、人に迷惑をかけるといった意味があります。
このことから、「不祥事」と「不始末」には、関係者に迷惑をかけるといった意味は同じですが、後始末の仕方が悪いといった意味は「不始末」にしかなく、「不祥事を起こす」、「不始末を起こす」といったように同じような意味として用いることができる一方、「火の不始末」ということはできても、「火の不祥事」とは言うことができないといった違いがあります。
「不祥事」の例文
・『私の父は、不祥事の責任をとり会社を辞めることになりました。』
・『ここで、絶対に同僚が起こした不祥事に巻き込まれてたまるものか。』
・『彼が、不祥事を起こした張本人です。』
・『公務員の不祥事が続く中、新たな公務員の不祥事が表沙汰になってしまいました。』
「不始末」の例文
・『もう、息子の不始末の処理はこりごりです。』
・『とうとう、大きな不始末をしでかしてしまった。』
・『タバコの火の不始末ほど、怖いものはありません。』
まとめ
同じような意味を持つ「不祥事」と「不始末」ですが、「不始末」にしか用いることができない使い方もあるため、その点には注意が必要です。