この記事では、「不適当」と「不適切」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不適当」とは?
「不適当」は「適当」に打消しの助字の「不」がついた言葉です。
「適当」には、3つの意味があります。
1つめは、ふさわしいことです。
ある条件、目的、要求などにうまくあてはまっていることを意味します。
たとえば、Aという仕事を誰かに任せたいと考えて、それにふさわしい人を探していたとします。
この仕事の目的を果たしてくれるだろう、条件にあっているだろうと思われる人のことを「適当な人材」と表現します。
2つめの意味は、程度などがほどよいことです。
「調味料を適当に加える」とは、ほどよい味になるように加えるという意味です。
調味料を入れ過ぎてしまうと、しょっぱすぎたり、甘すぎたりし、反対に少なすぎると味をあまり感じられません。
このような状態では適当であるとはいえません。
「調味料を適当に加える」とは、だいたいおいしく感じられる量を加えることを意味します 3つめの意味は、やり方などがいい加減であることです。
「適当に返事をする」のように使われますが、これはよい意味ではありません。
いい加減に返事をしていることを表します。
「適当に片付けをする」もいい意味ではなく、片付けが不十分である様子を表しています。
「適当」にはこのような意味があり、「不適当」は打消しの助字「不」がついているので、適当ではないことを意味します。
ふさわしくない、ほどよくないという意味です。
3つめの意味のやり方などがいい加減であることを打ち消した意味で「不適当」とはいいません。
「不適切」とは?
「不適切」は「適切」に打消しの助字「不」をつけた言葉です。
「適切」には、状況や目的などにぴったりとあてまはるという意味があります。
過不足なく、よくあてはまることです。
「不」をつけて打ち消しているので、「不適切」は状況や目的などにあっていないこと、特に状況や目的にあっておらず配慮を欠いていることを意味します。
「不適切な発言」などの使い方がされますが、「不適切な発言」とは、その状況にあっていない、心遣いのない言葉を出してしまったことです。
「不適当」と「不適切」の違い
「適当」にも「適切」にも、ふさわしいという意味があります。
それを打ち消しているので、「不適当」「不適切」は、ふさわしくないという同じ意味を持っています。
そのため、似たような場面で使われることがあります。
「不適当な発言」「不適切な発言」のように、どちらの表現方法もできます。
しかし、「適切」はぴったりとあてはまるという意味で、「適当」の方が幅が広い意味のふさわしいです。
また、「不適切」は「配慮に欠けた」という意味も含まれています。
まとめ
「不適当」も「不適切」もほぼ同じ意味を持っていて、どちらもふさわしくないことを意味しています。
そのため、ある場面では「不適当」「不適切」どちらの言葉を使っても意味はほぼ同じになります。