ニュースで頻繁に耳にする「世論調査」と「国勢調査」。
いずれも国が実施する大規模調査で、信頼も高いものですが、違いがよく分からない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「世論調査」と「国勢調査」の違いを分かりやすく説明していきます。
「世論調査」とは?
「せろんちょうさ」または「よろんちょうさ」と読みます。
まず読み方で迷う人が多くいます。
どちらも間違いではありません。
本来は「せろん」が正しいのですが、昭和初期まで議論に基づいた意見を表す「輿論(よろん)」という言葉があり、その「輿」の漢字が当用漢字表から除外されたため、「世論」の表記で代用するようになりました。
どちらの読み方もでも意味は同じです。
ある一定数の人々を選んで、一定の事項に対する意見や態度を尋ね、量的に集団や社会の世論を調べたり、測定したりすることを言います。
その結果から世論の動向を明らかにするための調査のことです。
「世論調査」の使い方
人々の意見や反応、意識に対しての調査です。
何かの事案についての意見として、賛成が23%、反対が31%、どちらでもないが36%などと報告されます。
「国勢調査」とは?
「こくせいちょうさ」と読みます。
日本に居住する人々が対象です。
年齢・世帯・就業・住宅など人口の基礎的属性を知るための調査のことです。
1920年に第一回めの調査があり,戦争中の1945年を除いて、五年ごとに実施されてきました。
行政の基礎資料を得るために、全国一斉に行います。
「国勢調査」の使い方
国が各種基礎資料を作成するため、日本国の基本的な数字データが調査の対象です。
意識調査ではありません。
「世論調査」と「国勢調査」の違い
いずれも「調査」という言葉がつくので、混乱をしやすいのですが、全く異なるものです。
「世論調査」は人々の「意見」や「反応」を調べるものです。
実施は不定期で、選挙で新政権が誕生したり、政府の重要政策が発表されたりしたときに、国民の意識を把握するために「内閣府」が行います。
一方、「国勢調査」は人口や、世帯数、男女比、就業状態、仕事の種類など、日本国民及び日本という国の基本的なデータを調査するものです。
十年ごとに行い、五年ごとに簡易調査を「総務省統計局」が行います。
「世論調査」の例文
「世論調査」を使った、代表的な例文をみてみましょう。
・『ニュースは「世論調査」の結果、政権の支持率が低下していると伝えました』
・『内閣府の「世論調査」は、統計的な方法で全国から3,000人を調査対象の方として選んで実施しています』
・『とつぜん「世論調査」の調査員を名乗る人が訪問してきて、驚いたことがあります』
・『「世論調査」の結果は内閣府のホームページで誰でもみられます』
「国勢調査」の例文
つづいて、「国勢調査」を使った代表的な例文をみてみます。
・『北方領土や竹島など、領有問題がある地域は「国勢調査」の対象地域として除かれました』
・『近年は「国勢調査」の回答はインターネットでもできます』
・『令和2年の「国勢調査」は実施100年目の節目となりました』
まとめ
「世論調査」と「国勢調査」は私たちの生活に影響を及ぼす大切な調査です。
誰でもホームページでみられます。
二つの調査の目的と違いを正しく理解し、政治や政策を判断するための材料として役立ててみてください。