「両義的」
両義的というのは「りょうぎてき」と読み、名詞の両義に接尾辞の的を母になります。
両義というのは2つの意味や2つの意義を指しており、両義的というのは1つの事柄が相反する2つの意味、対立する意味を持ち合わせていることを指しています。
「両義的」の意味
両義的というのは相反する事柄を2つ持ち合わせている状態を指します。
ただし、両面的とは意味が異なります。
両義的というのはあくまでも2つの意味を持ち合わせているという意味であり、両面的というのは裏と表の2つの顔持ち合わせているという意味になります。
例えば自然は人間に癒しを与えてくれますが、自然災害等を引き起こして人間を恐怖に陥れます。
これは裏と表の顔ということであり、両面的という言葉がふさわしくなります。
「両義的」の言葉の使い方
そう言われても、なんとなく両義的という意味がわからないと思う人もいるかもしれません。
例えば、古い民家を改築し、古さを残しながら新しい家として楽しむことがありますよね。
これは古くもあり、新しくもあるという両義的な空間を楽しむということになります。
「両義的」を使った例文・短文(解釈)
それならば、両義的というのはどのようなニュアンスで使われるのでしょうか。
ここでは両義的という言葉の例文をいくつか紹介します。
「両義的」の例文1
「やばいという言葉には両義的な意味がある」
若者達がやばいという言葉を使いますよね。
やばいというと、どうしてもまずい、とんでもない、などという意味合いを浮かべる人もいるでしょう。
しかし、若者たちの中にはやばいという言葉をかっこいい、かわいい、すごい、などという意味で使う人たちもいます。
例えばとてもかわいらしいアクセサリーを見て「やばい」という人もいますが、これは「このアクセサリ、とんでもない」という意味ではなく、「このアクセサリかわいい!」という意味になるのです。
やばいという言葉には両義的な意味があります。
「両義的」の例文2
「情けは人のためならずという諺には両義的な意味がある」
情けは人のためならずという表現は、情というものはいずれ巡り巡って自分に返ってくるのだから、誰にでも親切にしなさいという意味になります。
人に対して親切にしなさいという意味が含まれている一方で、自分のために人に対して親切にしなさいという意味が含まれているのです。
人のために親切にしろという意味と、自分のために親切にしろという意味と、2つの違った意味が含まれているということで、このことわざは両義的だと言えるでしょう。
「両義的」の例文3
「両義的な物の見方を養っていかなければいけない」
物事には様々な意味があります。
そしてそこには2つ以上の複数の意味があるということも考えられますよね。
そんな時は1つの物の見方にとらわれるのではなく、様々なものの見方ができなければいけません。
そしてこのようなものの見方は幼い頃から培われていかなければいけないものであり、いきなりできるようになるわけでは無いのです。
だからこそ、両義的に物事を見る意見を幼い頃から繰り返し、見た目に騙されないようにすることも大切です。
「両義的」の例文4
「親としての両義的な役割を認識しましょう」
親には2つの役割があります。
子供を大切に守り育てていくという役割もありますが、子供がある一定の年齢になったら独り立ちをさせるという役割もあるのです。
子供が大きくなっても、いつまでたっても守り育てるという事はできません。
子供は大きくなったら独り立ちをしなければならず、いつまでも親の保護家にいるわけでは無いのです。
動物の中には、子供が独り立ちできる年齢になったら無理矢理でも子供を自分の側から追い払うという動物もいます。
このように、親としての役割には両義式な側面があると言えるでしょう。