この記事では、「乱暴」と「横暴」の違いを分かりやすく説明していきます。
「乱暴」とは?
「乱暴」には2つの意味があります。
一つは、人として行うべき正しい道筋を無視して、荒々しい振る舞いをすることです。
人に暴力を振るうことは、道徳上よくないこととされています。
そういったことを無視して暴力を振るうようだと「乱暴」だといえるでしょう。
もう一つの意味は、やり方や扱い方に優しいところがなく雑であることです。
ケーキの扱い方で考えてみます。
ケーキはデリケートな食品です。
そのため、洋菓子店で購入をすると、倒れないように箱に詰めてくれて、保冷材をつけてくれることもあります。
持ち帰るときには、横にならないように気をつけます。
このような扱い方をされるケーキですが、箱を振り回す、投げつける、横向きにするといった扱い方をするようだと、それは「乱暴」だといえるでしょう。
丁寧さが感じられません。
こういった、粗っぽくて雑なやり方・扱い方を意味しています。
「乱暴」の使い方
暴力を振るうことや、やり方・扱い方が粗っぽくて雑なことを指して使用をします。
丁寧さや優しさを感じられないさまです。
「横暴」とは?
権力や腕力によって勝手に振る舞うさま、力によって自分の考えを押し通すことです。
ある父親のことで考えてみます。
この父親は、家族の中で自分が一番偉いと考えています。
自分以外のものは目下のもので、そういったものには力を振るってもよいという考えを持っています。
実際、暴力を振るうことがあります。
また、家族の意見を考慮せず、自分の考えを押し通そうとします。
このような態度を「横暴」といいます。
権力や肉体的な力によって勝手に振る舞うことをいいます。
「横暴」の使い方
勝手な振る舞いを指して使用をします。
わがままでという意味ではなく、権力や腕力によって勝手な振る舞いをすることをいいます。
また、暴力を振るってでも自分の考えを無理に通そうとすることもいいます。
「乱暴」と「横暴」の違い
どちらの言葉にも、あらい、あばれる、あらすという意味を持つ漢字である「暴」が使用されており、暴力を振るうという意味が似ています。
しかし、やや意味合いが異なり、「乱暴」は道徳的なことを無視して暴力を振るうこと、「横暴」は暴力を振るってでも自分の考えを通そうとすることを意味しています。
また、「乱暴」は丁寧でないやり方や扱い方の意味もありますが、この意味は「横暴」にはありません。
「乱暴」の例文
・『おもちゃを乱暴に扱ってはいけません』
・『乱暴な運転をする』
・『乱暴な発言』
・『乱暴だといわれた』
「横暴」の例文
・『横暴に感じました』
・『横暴な態度について謝罪する』
・『横暴に耐えてきた』
・『横暴な人では決していない』
まとめ
どちらの言葉にも「暴」という漢字が使用されており、似たような意味を持っていますが、それぞれの言葉の意味合いは異なります。