「事前抑制」と「検閲」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「事前抑制」と「検閲」の違い違い

この記事では、「事前抑制」「検閲」の違いを分かりやすく説明していきます。

「事前抑制」とは?

あらかじめ抑えとどめることです。

抑えるとは、動きを封じることです。

勢いを増す傾向があるものを、これ以上勢いが増さないようにとめることや、自由な身動きがとれないようにすることをいいます。

「事前抑制」はあらかじめ行われるものなので、何かが行われる前に勢いが増すであろうとわかっていることになります。

ことが起こる前に抑えとどめるのです。

たとえば、表現の自由展というものが開催されようとしていたとします。

これが開催されようとしていた当時、表現の自由は許されないものだっため、この展覧会をやめさせようという考えるものがいました。

そこで、展覧会が実際に行われる前に、主催者を取り押さえたり、作品を没収したりなどがされました。

こういったことをすることで、展覧会は開くことができなくなります。

この行為は、展覧会が開催されてから行われているのではなく、開催される前に行われています。

つまり、事前にです。

こういった、何かが行われる前に抑えることを「事前抑制」といいます。


「事前抑制」の使い方

ことが起こる前に抑えとどめることを指して使用をします。

ことが起こってから抑えることについては使用しません。


「検閲」とは?

「検閲」には3つの意味があります。

1つめは、正しいかどうか詳しく調べて確かめることです。

優れた詩歌を集めようとしたとします。

集めたい数は十句です。

詩歌集から十句だけを拾い集めても、その句のすべてが優れたものとは限りません。

そのため、十句集めようと思ったらそれ以上は調べる必要があります。

少なくとも五十句は調べる必要があるでしょう。

この場合「五十句を検閲する」ということができます。

パラパラ見るのではなく、詳しく調べます。

2つめの意味は、公の権力が書籍・放送・新聞・映画などの表現内容を強制的に調べることです。

書籍や映画などを作った人に許可を得て調べるのではなく、無理に調べています。

3つめは、精神分析の用語です。

「検閲」の使い方

いくつかの意味がありますが、書籍や放送などの表現内容を強制的に調べるという意味で使われることが多いです。

「事前抑制」と「検閲」の違い

「検閲」はあらかじめ行われるもので、これが行われる目的は、表現を抑え込んだり、ある表現によってある勢力が増したりしないように抑え込んだりすることです。

そのため、「事前抑制」と意味が似ています。

「検閲」は書籍・雑誌・新聞・映画・放送などについて行われるものですが、「事前抑制」はこれよりも広い範囲の事柄に行われます。

「事前抑制」の例文

・『事前抑制をする』

・『事前抑制を禁止する』

「検閲」の例文

・『検閲に対抗をする』

・『検閲の対象となる』

まとめ

2つの言葉には、調べるという意味合いがあります。

そして、その行為は何かが起こる前になされます。

「事前抑制」の一種が「検閲」です。

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