昔はあたり前のようにそうだった習慣でも、現在では時代にそぐわず、なくなった風習もあります。
「亭主関白」もその一つで、昔はそう言った家庭も多かったですが、今となってはほとんど死語の状態で、意味が通じない人も珍しくありません。
この記事では、「亭主関白」の意味を分かりやすく説明していきます。
「亭主関白」とは?意味
「亭主関白」とは家庭内で夫の立場が非常に強く、絶対的な決定権を持っていること、またはそう言った力関係の家庭という意味の言葉です。
「亭主」は一家の主人や夫を指し、「関白」は天皇を補佐し、国の政治を司っていた官職から来ています。
昔は夫や父親がリーダーシップをとっていましたが、それでも家事など家庭内のことは、ある程度妻に決定権がありました。
しかしそう言った本来妻が決めるようなことも、夫が自由に決めてしまうほど夫が強い状況が「亭主関白」です。
「亭主関白」の概要
日本の政治は本来天皇がトップです。
しかし平安時代では天皇の補佐でしかない関白が、天皇に変わり政治をほとんど掌握していました。
そして一昔以上前の日本家庭では、外の仕事は夫、家の仕事は妻と分担していましたが、夫の立場が強すぎる家庭だと、女性が決めるはずの家庭のことまで、夫が決めるようになります。
本来家のことを決める妻より夫の方が家庭の決定権が強い状態と、本来主である天皇よりも関白の方が政治の決定権が強い状態をなぞらえて生まれた言葉が「亭主関白」です。
「亭主関白」の言葉の使い方や使われ方
「亭主関白」は家庭内で夫が特に偉い事を意味する言葉であり、夫が強い決定権を持っていることを指して使われます。
必ずしも悪い状況でだけ使われる言葉というわけではなく、家では頼りがいのある男性という意味で、好意的に使われることもありました。
しかし近年の男女は平等であるべき、男尊女卑は許されないという風潮に反する状態なので、威張っている、独裁的という悪い意味で使われることも多いです。
また明確に男性が女性の上に立つ家庭自体減っているので、「亭主関白」という言葉が使われること自体も減りつつあます。
「亭主関白」の類語や言いかえ
「内弁慶」は外では大人しい態度なのに、家の中では打って変わって威張っている人です。
「亭主関白」とは家の中で威張るという意味では同じく、類語や言い換えとして使える場面も多いでしょう。
また「かかあ天下」は妻が強くて夫の頭が上がらないという「亭主関白」とは逆の状態を指す対義語です。
ですが独裁的な主人がいて、配偶者であっても逆らえないという点では、「亭主関白」の類語と言えます。
まとめ
昔は「亭主関白」な家庭も珍しくはなく、悪い言葉として扱われていませんでしたが、現在となっては時代と合わず、ネガティブなイメージを持つ言葉です。
「亭主関白」という言葉を使うときには、時代錯誤や悪口として使ったと思われないようにしましょう。