「人誑し」
「人誑し」は「ひとたらし」と読みます。
非常に難しい漢字で読みにくいので、多くの場合は「人たらし」と平仮名で表記しています。
「人誑し」の意味
「人誑し」の意味には以下の2つがあります。
「人をだますこと」の意味
「人誑し」の本来の意味は「人をだますこと」です。
上手いことを言って人をだまして金品を取り上げようとしたり、異性に対して本当に好きな訳ではないのに甘い言葉で誘惑したり、子供におやつを与えて言うことをきかせることなどを言います。
「誰からも好かれて評判が良い人」の意味
こちらは「人誑し」の良い意味で、特に強く自己主張をしている訳ではないのに、いつも多くの人達に注目されて好感を持たれている人のことです。
天性の才能的な要素が多く、本人は意識していなくても多くの異性に好かれてしまうこともあります。
ビジネスやプライベートで人間関係を円滑にするのに役立ち、その人の長所として表現されます。
「人誑し」の言葉の使い方
「人誑し」が使われるのは以下の様なシーンです。
プライベートで
プライベートで「人誑し」が使われるのは、いつもニコニコとしてい笑顔で人と接している人に対してです。
誰とでも分け隔てなく笑顔で明るく話ができます。
会話の内容もポジティブで、周囲の人達が聞いていて明るい気持ちになる様な話題に導いていくのです。
相手の話を楽しそうに聞き、いかにも「興味がある」という態度を取ります。
トラブルがあった時にも「大丈夫」と言ってもらえると、人はその人に対して安心感を得ます。
「この人ともっと話したい」「もっと一緒にいたい」と思わせて、相手が異性の場合はそこから恋愛感情に発展する可能性も高くなります。
ビジネスで
ビジネスで「人誑し」が使われるのは、相手の言い分をしっかりと聞いて共感してくれる人に対してです。
ビジネスの場合どうしても利害関係があるので「売りたい」「値切りたい」という立場に分かれます。
この時に相手の意見を最後まで聞いて「そうなんですか」と事情を理解する態度を見せて、次に「相手のことを考えた」提案をするのです。
これにより相手は「自分たちのことをちゃんを分かってくれている人だ」と思い、信頼する様になります。
一度信頼を得るとビジネスは非常にやり易くなります。
「人誑し」を使った例文・短文(解釈)
「人誑し」を使った例文と解釈を紹介します。
「人誑し」の例文1
「彼は人誑しだからラインの返信がすごくマメだ」
人からラインがきたら素早く返信すると、相手は「自分のことを優先的に思ってくれている」と感じます。
段々とやり取りが増えてより親密な関係になっていくでしょう。
人付き合いが上手な様子を表してます。
「人誑し」の例文2
「あいつの人誑しぶりには頭が下がるよ」
これは友達同士の会話で、噂の主は誰にでも愛想が良く好感が持たれていて、女性にもモテることがうかがえます。
とてもその人に叶わないと嫉妬している気持ちも含まれています。
「人誑し」の例文3
「誘いを断らないところが人誑したる故だよ」
自分のことを「人誑し」と言われても全く身に覚えがない場合があります。
友人に客観的に判断して貰い、どの様な面が「人誑し」なのかを教えて貰っている様子を表しています。
「人誑し」の例文4
「彼は人誑しのテクニックでトップセールスになれた」
ビジネスで人に好感を持たれる性格というのは武器になります。
顧客から贔屓にされて他の人よりも契約数が多く、トップセールスになれた人のことを表しています。
「人誑し」の由来・語源
「人誑し」の語源は、漢字の意味から来ています。
「誑し」は「言」に「狂う」で「何か言うことで人を狂わせる」ことを意味しています。
人に巧みな言葉をかけて普段とは違う気分にさせて、自分の有利な状態に持ちこむという意味から「人誑し」という言葉になったのです。