この記事では、慣用句の「今生の別れ」の意味を分かりやすく説明していきます。
「今生の別れ」とは?意味
「今生の別れ」の読みは「こんじょうのわかれ」で、「この世において、もう二度と会えなくなってしまうこと」を意味する慣用句です。
「今生の別れ」の概要
「今生の別れ」の慣用句に使われている「今生」とは、「この世に生きている間、すなわち現世」を意味する言葉で、従って「今生の別れ」の文字通りの意味としては、「現世における別れ」となります。
この「現世」の反対語は「来世」で、この慣用句には「来世で再び会うことがあっても、現世では二度と会うことが出来ないこと」の意味が込められているのです。
この慣用句の由来は、かつて死者を弔うために水盃で乾杯する習慣があったことに由来するとされています。
死者に水を飲ませる習慣は、あの世で渇きに苦しまないようにするためのものです。
そして水盃を交わすことは、死を迎えた人に、家族や親族や親しい知人がこの世では二度と会えないことを意味する儀式でもあったのです。
そこから転じて元々は「死を迎えることで、二度とこの世では会えなくなること」を「今生の別れ」と称するようになったのです。
このように、元々は「今生の別れ」は「死別により会えなくなること」を意味していましたが、今日では大切な人との死別以外に、どうする事も出来ない事情などにより、「家族と二度と会えなくなること」や「恋人や大切な友人と二度と会えなくなること」に対しても使われます。
「今生の別れ」の言葉の使い方や使われ方
「今生の別れ」の慣用句は、以下の例文のように使われます。
・『80歳にもなると、大切な友人との今生の別れが増え、人生の悲哀を感じさせられるものです』
・『軍人は戦場に向かう際には、常に家族や大切な人などとの今生の別れを意識・覚悟します』
・『施設から兄弟は別々の家庭に引き取られ、幼ないながらも、二人は今生の別れを感じ取りました』
・『余命宣告を受けた友人を見舞い、これが今生の別れだと思うと、辛くて密かに涙しました』
・『二人の意思で結婚が出来ない昔の時代には、恋人同士が今生の別れの辛い経験をすることが少なくなかった』
「今生の別れ」の類語や言い換え
「今生の別れ」の類語や言い換えとしては、「死別」や「永別」や「永遠の別れ」や「愛別離苦」や「終(つい)の別れ」や「永の別れ」や「今際(いまわ)の別れ」などを挙げることが出来ます。
まとめ
「今生の別れ」の読みは「こんじょうのわかれ」で、「この世において、もう二度と会えなくなってしまうこと」を意味する慣用句です。
「今生の別れ」は元々は「死別により会えなくなること」を意味していましたが、今日では大切な人との死別以外に、どうする事も出来ない事情などにより、「家族と二度と会えなくなること」や「恋人や大切な友人と二度と会えなくなること」に対しても使われます。