「他人事ではない」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「他人事ではない」とは?意味と使い方

「他人事ではない」とはどんな時につかう言葉なのでしょうか。

今回は、「他人事ではない」の意味と類語について解説します。

「他人事ではない」とは?意味

「他人事ではない」とは、「他人に起きた出来事に対し自分自身にも起きる可能性があると考えること」を意味する言葉です。


「他人事ではない」の概要

「他人事ではない」は自分自身に対して気の緩みを引き締めるいましめの意味合いで使われる表現です。

自分と他人は別の人間です。

自分の事情と他人の事情は違って当然であり別々に考えるものですが可能性として考えるのであれば自分の身に起きたことが他人に起きることもありますし、他人の身に起きたことが今度は自分に起きる可能性も考えられます。

「他人のことなので自分には関係ないと考えるのではなく、自分にもそのようなことが起きるかもしれないと考えること」を指すのが「他人事ではない」です。

自分以外は全て無関係と考えるのは誤りであり自分自身がそうなる可能性を考えておかないといけない、という意味で使われる一種の警句のような声質を持つ表現として使われています。

どんなに確率が低い物事であっても他人に起きたという事実は自分の身にも起きる可能性がゼロではないことを示しています。

現実として低確率の事象が発生することはまれであったとしてもそのことを意識しているのといないのとでは大違いです。

「他人事ではない」という言葉は他人のことなので自分とは関係がない、自分でなければどうでもいいという物事を軽視する考えに対するいましめであり緊張感を求めるときに使われます。

関わりのないことだからとのんきに構えていると「いつか自分もそのような目にあってしまう可能性がある」という事実を指摘しています。

「他人事ではない」には「自分の身に降りかかってきたことを考えておかないといけない」という警句としての意味の他に「困難や災難を我が事として考える」という意味もあります。

苦しんでいる他人の心に寄り添い力を貸すためには当事者でなかったとしても同じ立場、同じ目線に建つことが大切です。

他人のために力を惜しまず行動する様子を表す場合は「他人であっても気持ちを共有している」という意味で「他人事ではない」が使われます。


「他人事ではない」の言葉の使い方や使われ方

・『北海道の大地震は東京に住む自分にとっても他人事ではないではない』
・『将来的に老いることを考えれば現在の高齢者問題は他人事ではない』
・『家族を無くした経験を持つ彼にとって事故でいきなり両親を失った少女のニュースは他人事ではない』
・『地球温暖化問題は他人事ではない』

「他人事ではない」の類語や言いかえ

・明日は我が身
「他人の様子を将来の自分の様子に写し見ること」を意味する言葉です。

他人の姿や出来事を自分に置き換えて考えてみるというところが「他人事ではない」とよく似ています。

・人のふり見て我がふり直せ
「他人の振る舞いを手本として自分の身を振り返り反省すること」を意味する言葉です。

他人の様子を無関係と考えず自分のこととして考える点が「他人事ではない」との共通点です。

まとめ

「他人事ではない」は日常会話でも使われることの多い一般的な表現です。

文脈によって異なる用法で使われる表現なので判断がつくようにそれぞれの意味合いを覚えておきましょう。

意味と使い方
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