ものづくり大国ニッポン。
我々は古くから何かを『作る』ということに強い競争力を誇っています。
最近では陰りを見せていますが、家電やPCなどの製品品質は世界でもトップクラスです。
自動車に至っては世界に誇るものづくり産業として君臨しています。
そんなものを作るという言葉の中で『作成』と『作製』という言葉を見かけたことはありませんでしょうか。
仕事ではもちろん、学校などでの美術や図工の授業でも使われていますが、この言葉の持つ微妙な違いを把握していらっしゃるかたは意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では「作成」と「作製」の違いを分かりやすく説明していきます。
「作成」とは
この単語は『文章や書類、計画書など』を作るときに使う言葉です。
どちらかというと実態のあるものというよりは、計画やデータ、デザインなどまだ形になっていないものに対して使う言葉です。
例えば『来年の予算の計画書を作成する時期になった。』という言葉を聞いたことはビジネスをされている方であれば一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
そのほかにもウェブページやアプリのレイアウトなどを作る時にも『作成』という言葉を使います。
この様に、実際の物ではなく、紙面上やデータなどで何かを組み立てていったり生み出していくことを『作成』と言います。
「作製」とは
一方『作製』はどうでしょうか。
これは『機械や道具などを使って実際に物を作ること』を指します。
この言葉が正に『ものづくり』である我々日本が得意としていることに使われます。
自動車や産業機械、電子部品など日本には様々な製品がありますが、これは全て『作製』という言葉が使われます。
少し面白いのは地図や設計図の場合です。
これらは一見、紙面上のデータの様ですが使われる言葉はなんと『作製』なのです。
理由は実際に物にする、もしくは形になって存在しているからというとてもユニークな使われ方をしています。
「作成」と「作製」の違い
この二つは『紙やデータで何かを作る』か『機械や道具を使って何かを作る』というはっきりとした違いがあります。
ちなみに『作成』は英語で『Draw up』です。
『描く』という言葉が使われているので紙やデータで何かを作る』というイメージと一致します。
また、『作製』は英語では『Manufacturing』です。
『製作』とも訳せますが正に『機械や道具を使って』という部分とイメージが一致しませんでしょうか。
少し面白いのは英語で『地図』や『設計図』を作る時には日本語の様に『作製』とは言わず、なんと『Draw up』(作成)を使います。
日本語と英語では物事の捉え方に違いがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
まとめ
如何でしたでしょうか。
とても似ている言葉ではありますが、『まだ実体になっていない』ものなのか『実際の形になっている』ものなのかで使い分けられることがお分かり頂けたのではないでしょうか。
また、副次的ではありますが、日本語と英語での捉え方の違いについてもご理解頂けたと思います。
似ている文字と意味があった場合は、違いについて確認をしてみると言葉の使い方に広がりが生まれますので是非意識して見て下さい。