ネットで記事を読んでいて「この意味って何て言うのかな?」と不思議に思うこともあるかもしれません。
この記事では、「佳境」と「終盤」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている言葉を正しく知って、自分のボキャブラリーに自信をもっていきましょう。
「佳境」とは?
佳境(かきょう)とは、最高の見せ場・盛り上がっている部分という意味があります。
佳境の「佳」には良い・素晴らしいという語源があります。
そのため佳境は素晴らしいスポット・良い場所という意味合いに。
例えるのなら、深い山あいをはしっていた電車がトンネルを抜けた途端に、湖や海などの美しいビュースポットに到達するようなイメージです。
人気の歌に例えるなら、サビの部分。
サッカーの試合に例えるなら、選手が逆転ゴールを決めてVサインを出しているシーンなどが佳境にあたります。
「お芝居も佳境にはいりました」や「人気ドラマもいよいよ佳境を迎えました」など、日常的にもよく耳にする言葉です。
「終盤」とは?
佳境とよく似ている言葉に、終盤(しゅうばん)があります。
「終わり」という言葉が付いているように、物語の終わり・おしまい・最終段階をあらわす熟語です。
終盤の「盤」はもともと囲碁や将棋のボードを指す言葉。
棋士たちがアツい熱戦を繰り広げたすえに、勝敗を分かち合うことから生まれた言葉です。
囲碁や将棋のほかにも、スポーツの世界で使われることが多い言葉。
「マラソンレースも終盤に差しかかりました」や「7月から始まったトーナメント戦も終盤戦を迎えています」などの、アナウンサーの文言を聴いた方も多いと思います。
佳境と同じくらい、使用頻度の高い言葉です。
「佳境」と「終盤」の違い
何となく分かっているようでも、上手く説明できないのが佳境と終盤です。
あいまいに覚えていると、いざという時に恥をかいてしまうこともあります。
「佳境」と「終盤」の違いを、分かりやすく解説します。
・通過点かゴールか
佳境は全体的な流れの中で、もっとも盛り上がる部分のこと。
2時間もののドラマだったら物語がいよいよ面白くなる、前半1時間を終えたくらいの段階です。
一方で終盤はすでに終わりが見えていて、あと少し手を伸ばせばゴールが掴めそうな段階のこと。
2時間もののドラマだったら、ラスト15分くらいのイメージです。
長い旅の中で、通過地点にたとえられるのが佳境。
それに対してもうゴール地点が見えているのが終盤です。
これまで振り返った道をふりかえると、決して平坦に思えないことも多いもの。
佳境のようなデコボコや、終盤のような最終局面があるからこそ人生は面白いのです。
・サビか締めくくりか
佳境は人気の歌にたとえるなら1番感動的なサビの部分。
終盤はお芝居にたとえるならエピローグや締めの部分になります。
佳境や終盤があるからこそメリハリがついて、色々なことが感動的にみえます。
音楽クリエイターや演出家にとって佳境と終盤は、売れる商品をつくるための必須ポイントです。
まとめ
佳境と終盤の違いを分かりやすく解説しました。
普段何気なく耳にしている言葉ですが、盛り上がりと終わりを意味する、とても重要な熟語です。
違いを意識しておくと、また違った見方で世の中が見渡せると思います。