「便宜上の理由」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「便宜上の理由」とは?

この便宜上の理由とは、本当の理由ではないながら、納得をしてもらう為にとって付けた理由のことです。

その多くは発表する側にとって都合のよいもので、考え抜いて付けられたものがほとんどだと思っていいでしょう。

本当の理由ではないと書きましたが、「本当でもおかしくない」ことが求められます。

全く納得できないような理由では、単に嘘をついて逃げたと思われてしまい、便宜上の理由を使った意味がなくなってしまいます。

「便宜上の理由」の意味を詳しく解説

「便宜上」という言葉は、この「理由」以外に対してもよく使われます。

「(使う側にとって)都合がいい」「納得をしてもらう為」と解釈できる言葉で、「便宜上の理由」もそのような理由だとそのまま考えてください。

例えば、いきなり全館の照明が落ちてしまった時の本当の理由は電気系統のトラブルだったという場合に、そのまま伝えてしまうと、電気の制御部分に不安があると思われる可能性があるので、便宜上の理由として、一時的な停電があった(本当はそのようなことはなくても)などという別の理由だったことにして、余計な詮索を受けないようにするといった使い方になります。

「便宜上の理由」の言葉の使い方

便宜上の理由は、聞いた方にはそうだと分からないことも多いです。

むしろ、そうだと分かってしまうと、信頼を失ってしまうことにもなってしまうので、分からないようにしないといけません。

しかし、一部の(重要な)人にだけは、本当の理由を話しておく(後で伝える)ということも多いです。

完全に便宜上の理由で逃げるのではなく、そのような人にだけは、本当はこういう理由だったが、そのまま言ってしまうと何かと不都合が起こる可能性が高いのでこの理由にしておいたと教えるという具合です。

「便宜上の理由」を使った例文と解釈

便宜上の理由とは言っても、その理由で(それなりにでも)納得が得られないと、反って状況を悪くしてしまうことがあります。

つまり、本当はそうではないのに、「その理由でもおかしくない」という理由を付けないといけない訳です。

これが意外と難しく、「いっそ本当のことを言った方が楽だ」と思ってしまうことも多いのです。

「便宜上の理由」の例文1

「あのタレントに出演を断られたが、スケジュールが合わなかった為だと報告しておいたが、実は便宜上の理由だ」

断られたとなると、何故そうなったのかと責められてしまうことを懸念して、スケジュールの都合で仕方なかったという便宜上の理由で逃げたという例文です。

このような例が、便宜上の理由の一番の使い方だと言えるでしょう。

「便宜上の理由」の例文2

「あのいい訳は、どう考えても便宜上の理由だとしか思えない」

誰かの「便宜上の理由」を、実はそうではないのだろうと勘付いた例になります。

便宜上の理由は、それなりにうまく考えないと、それでは納得してもらえないことも多いので注意しないといけません。

「便宜上の理由」の例文3

「便宜上の理由だったにしては、疑う余地のない素晴らしい理由だと思う」

うまく便宜上の理由で誤魔化すことができ、その理由がいかにも本当のようで素晴らしい理由だったと言っています。

この例文は、最初からそれだと聞いていた人が、改めてそう思って言っている例です。

便宜上の理由を使う時には、このように誰にも疑われることがないほどうまい嘘でないといけません。

「便宜上の理由」の例文4

「無理に便宜上の理由を考えるくらいなら、正直に言ってしまえばいいのに」

便宜上の理由は、よほどうまく考えないと、本当はそれではないとバレてしまうものです。

下手に便宜上の理由を付けて、すぐにバレるようなら、最初から素直に言ってしまった方がよさそうだと考えるケースも少なくないでしょう。

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