この記事では、「係争」と「紛争」の違いを分かりやすく説明していきます。
「係争」とは?
係争とは、けいそうという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば分かる事ですが、かかわりを持つとかつながるといった意味を持つ係の漢字に、あらそうといた意味の争の漢字を組み合わせる事で成立している言葉となっています。
だからこそ係争は、訴訟において当事者間で争う事を意味しているのです。
「係争」の使い方
係争は、当事者同士が訴訟で争う事を意味する言葉として使用されています。
注意点としては世の中で発生する様々な争いの中で、訴訟に関連したものだけにこの係争という言葉を使う点です。
係争中の事件、といった表現が比較的良く見られ、事件の当事者同士が裁判で争っている事を意味する言葉として用いられています。
「紛争」とは?
紛争とは、ふんそうという読み方をする言葉です。
文字で表記されたこの言葉を見れば明らかな事ですが、ごたごたと入り乱れたり、物事がもつれるといった意味を有する紛の文字に、あらそいを意味している争の文字を加える事により誕生した言葉となっています。
そのため紛争は、事がもつれて争う事だったり揉め事を意味するのです。
「紛争」の使い方
紛争は、争い事の総称として用いられている言葉となっています。
それこそグループ同士の比較的小規模なものから、国家間の規模の大きな争いまで幅広くこの言葉を使って表現する事が可能です。
基本的に物事がもつれた結果、争いになった際に積極的にこの紛争という言葉が使用されています。
「係争」と「紛争」の違い
係争と紛争は文字を見比べてみれば、最初の文字が係と紛という明確な違いがある事に気付くはずです。
ですが2文字目は同じ争の文字が付いており、互いに漢字で2文字で表現可能な言葉であるため、使用する際にごっちゃになる人も珍しくありません。
ただし係争は、訴訟等の裁判沙汰で当事者同士で争っている事に限定して、使用する言葉です。
一方の紛争は、事がもつれる事によって生じた争いや揉め事を表現する言葉となっています。
小規模な争いから国家間という大規模な争いまで幅広く示す事が出来る言葉であり、裁判紛争といった言葉でこの言葉を使って係争の意味合いを表す事も可能です。
「係争」の例文
・『この事件は現在、法定で係争中となっています』
「紛争」の例文
・『紛争地域に住む子供は、何時死を迎えてもおかしくない毎日を送っています』
・『両国は領土問題で長年の間、紛争を続けています』
まとめ
2つの言葉は最初の文字が係と紛という違いがあるものの、次の言葉は同じ争の文字を用いています。
更に同じく漢字2文字で表現されるので、パッと見は似通っている部分はあるのです。
その上、どちらも争いに関連して使用される言葉同士なので、意味を混同してしまう人もいたりします。
もっとも係争は、訴訟における事件の当事者同士の争いを意味する言葉です。
対する紛争は、小規模から大規模な争いを表現する際に用いられる言葉となっています。
加えて裁判関連も、裁判紛争という言葉で表現出来るので、係争の意味合いもこの紛争を使って示す事が可能です。