この記事では、「全容」と「全貌」の違いを分かりやすく説明していきます。
「全容」とは?
全ての内容を意味する「全容」。
全体の形はもちろん、内容すべてを意味する言葉です。
何かの内容を表す際、そのものを全体的に見たとき「全容」という言葉が用いられます。
「全容」の場合、内容面に対し用いられることが多く、どのようなものに対する「全容」なのかを示す場合に用いられる言葉となります。
そのため、「全容」を別の言葉で言い換えると、「すべて」や「全面」、「全体」、「トータル」、「オール」などとなります。
「全容」の使い方
「全容」の場合、「全容が明らかになる」や「全容を見たことがない」、「全容を解明する」などのほか、「全容解明」といった言葉もあります。
「全貌」とは?
全てのかたちを意味する「全貌」。
「全貌」の「貌」には、「かたち」という意味があり、そこから、全体の姿、物事の全体のありさまといった意味となります。
何か特定のものに対し全体的な形や姿を現す表現で、「全貌」の場合、見た目のみとなり、その内容まで見ることはありません。
そのため、「全貌」を別の言葉で言い換えると、「全体の姿」や「全体像」、「シルエット」、「アウトライン」、「輪郭」などとなります。
「全貌」の使い方
「全貌」の場合、「全貌が明らかになる」や「全貌を暴く」、「全貌を見る」などのほか、「全貌は闇の中」といった表現方法もあります。
「全容」と「全貌」の違い
全てという意味では同じですが、その全ての内容が「全容」と「全貌」では異なります。
「全容」の場合、その内容すべてを表しますが、「全貌」の場合は、内容ではなく、姿、形のみとなります。
そのため、「全容」は、その内容を意味し、「全貌」は、その外見を意味する言葉といった違いがあります。
この点の違いに注意が必要な言葉です。
「全容」の例文
・『サスペンスドラマの見どころは、事件の全容を明らかにする場面だと思う。』
・『今回の計画の全容を知っている人に詳しい話を聞くことができた。』
・『週刊誌などで、よく、「全容解明」と大きな見出しがついていることがあるが、中身を読むと、それほどでもない場合が多い。』
・『3日間待って、やっと、山々の全容を写真に収めることができました。』
「全貌」の例文
・『今回発生した事件の全貌を知るため、私は様々な方法で事件について調べました。』
・『戦いに勝つためには、敵の全貌を知ることは非常に重要です。』
・『ネット社会の今、手軽に曲の全貌を知ることができるようになりました。』
・『刑事もののドラマの最終回で、やっと、犯人についての全貌が明らかになった。』
まとめ
「全容」と「全貌」は混同されやすい言葉ですが、以上のような違いがあります。
そのため、内容を示しているのか、外見を示しているのか、を見極め、内容の場合は「全容」。
外見の場合は「全貌」と適切に使い分ける必要があります。