前ぶれを連想する言葉は、この世にいくつかあります。
この記事では、「前兆」と「予兆」の違いを分かりやすく説明していきます。
語句の差を知って、知識を深めていきましょう。
「前兆」とは?
前兆(ぜんちょう)とは、何かが起きる前ぶれのこと。
これから大きな災害や事件が起こるかもしれない、不穏なメッセージのことです。
前兆は「事前の兆し」と書きます。
もともと「兆し」という漢字は、亀の甲羅占いから生まれた言葉。
大昔の人は亀にどんな模様があるかを見て、明日どんなことが起こるか占っていたのです。
そのため「前兆」にも「予想する・予告する」という訳があります。
まだ見えない未来を予言している、不思議なオーラのある言葉です。
使い方には「地震の前兆と思われる現象が起きていた」や「別れる前の前兆なのか、彼は冷たい態度だった」や「不吉な前兆が、何回も報告されていた」などがあります。
良いことより、悪いことが起きる前ぶれとして使うことが多いです。
「予兆」とは?
予兆(よちょう)とは、事態が大きく動く前ぶれのこと。
前もって知らされる、きざしです。
何かが動きそうな予感や、気配がするときに用いる表現です。
予兆とは「あらかじめの兆し」と書きます。
「予め」は前もってという意味がある漢字。
大きな出来事が起きる前に、あらかじめ知らされること・分かることが「予兆」です。
「予」には「予測・予知」という熟語もあります。
つまり「次に起こることを推し量っていく」という意味もあるのが予兆。
未来を想像して、予見していくのが予兆です。
予兆の使い方としては「感染者の予兆を追うように、指示を出した」や「社内の監視カメラが、事件の予兆を感じ取っていた」や「数日前から病の予兆があらわれていた」などがあります。
何かが起きる前のメッセージが予兆です。
「前兆」と「予兆」の違い
どちらも「兆し」という言葉が含まれているので、見分けが付きにくいです。
「前兆」と「予兆」の違いを、分かりやすく解説します。
・「予測」も含まれる「予兆」
「前兆」と「予兆」は、どちらも何かが起きる前ぶれ・サインをあらわす言葉です。
明日を占う言葉として用います。
同じような意味を持つものの「科学的な予見」も含まれるのが「予兆」です。
具体的な根拠があるとき、目に見えて明らかな異変があったとき「予兆」がつかわれます。
また災害が起こる前ぶれとして、とくに用いられているのが「前兆」です。
「土砂災害の前兆」や「巨大地震の前兆」がその一例です。
自治体によっては「予兆」を使うこともありますが、災害前に使われる回数が多いのは「前兆」です。
まとめ
「前兆」と「予兆」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも、災害や事件が起きる前ぶれ・兆しとして使われています。
物事が動くときには、事前に何らかの異変が起きているものです。
そうした小さなメッセージに気づくのが「前兆」と「予兆」。
日々の暮らしの中に上手に生かしていきたいものです。