「前日譚」とは?意味や言葉の使い方、概要(元ネタ)など

「前日譚」とは?新語・ネット用語

物語の種類として「前日譚」というものがありますが具体的にどのような意味なのでしょうか。

今回は、「前日譚」の意味と類似表現について解説します。

「前日譚」とは?意味

「前日譚」とは、「ある物語が始まるよりも前の時系列に起きていた出来事を描いた物語」を意味する言葉です。


「前日譚」の概要

物語作品は通常始まりから終わりに向かって時間が進みます。

中には時系列を入れ替えたりバラバラに時間が進む作品もありますが、ひとつの作品としてみた場合最初の時間と終わりの時間が必ず存在します。

一つの作品の中で描かれるのは作品内における始まりの時間から終わりの時間までですが、時間の流れを考えると物語が始まる前から登場人物たちの間には時間が流れ何らかの出来事が存在しています。

「前日譚」というのは「物語が始まるよりも前の物語」を指す言葉です。

例えば物語が始まったとき主人公が20歳だったとするとその物語で描かれるのは20歳よりあとの出来事ですが、登場人物の連続性を考えれば20歳より前の時代も描かれていないだけで存在しているはずだと考えられます。

「その物語では描写されていないスタート時点よりも前を描いた別の物語」「前日譚」といいます。

「前日譚」は本編にあたる物語とは別に描かれる物語であり「一般的には本編より後に発表された内容的に前に位置する話」を指しますが、作品同士の時系列的な関係を指す意味で発表順とは関係なく前の時代の話を「前日譚」と呼ぶこともあります。

世界的ヒットを記録した映画シリーズ「スターウォーズ」は全9話のエピソードのうち4~6の3作品が最初に公開され、その約16年後にエピソード1~3が公開されます。

エピソード1~3はエピソード4~6より前の時代を描いた「前日譚」にあたる話です。


「前日譚」の言葉の使い方や使われ方

・『本編完結後に主人公の父親を主役にした前日譚が発表された』
・『ドラゴンクエスト3はドラゴンクエスト1ノ前日譚にあたる』
・『前日譚を見ておかなくても本編を十分楽しめる』
・『謎だった人物の正体が前日譚で判明する』

「前日譚」の類語や言いかえ

・後日談
「物語が完結したあとの様子を描いた話」を意味する言葉です。

通常は本編に付け足される形式のものを指し「前日譚」のように独立した物語形式のものは含みません。

独立した作品として本編よりも後の内容を描いた続きの物語は「続編」と呼ばれます。

・スピンオフ
「ある物語と共通する世界を描いた別作品」を意味する言葉です。

脇役を主人公に据えた別の物語や違う年代の話など、本編と世界観を共有する別の物語を指します。

・エピソード0
「本編開始よりも前を描いた番外的な作品」を意味する言葉です。

物語の謎や秘密などが描かれることが多く、見なくても本編の理解には影響しないが本編を知ってから見るとより楽しめるような前の話を指します。

まとめ

「前日譚」は日常ではほとんど使わない言葉ですが文学評論や物語の紹介ではよく使われます。

物語の関係性を意味する言葉なので正しく理解しておかないと作品鑑賞で混乱する恐れがあります。

読む順番にも影響するので意味を知っておきましょう。