この記事では、「割愛」と「省略」の違いを分かりやすく説明していきます。
「割愛」とは?
「割愛」とは、「かつあい」と読み、惜しいと思いつつなんらかの理由があって手放さなければならないという状況を指します。
省くという意味と考えられがちの「割愛」と言う言葉ですが、本来の意味はなんらかの理由のために仕方なく省いているという意味となります。
本当は省きたくはないが、時間やその他の理由があって仕方なく省かざるを得ないという状況です。
また大学教員などが、他の大学へ移ることや、大学を離れ民間企業に入社する事を「割愛人事」と呼び、手放すのがとても惜しい人材ではあるものの、やむを得ず手放さずを得ないという意味があります。
このように「割愛」はただ省くという意味ではなく、惜しみつつ手放さなければならないという意味があるのです。
「割愛」の使い方
「割愛」は、惜しいと思いつつもなんらかの理由により省かなければいけない事を意味する言葉です。
したがって使用される際にはその意味が込められている事が前提となります。
例えば結婚式などの祝辞を読み上げる際などに「時間の都合上、割愛します」などと使用されます。
この場合は、「全てを紹介したいが、時間が無いので仕方なく省略します」と言う意味になるという事です。
「省略」とは?
「省略」とは、「しょうりゃく」と読み、物事の一部を取り除き簡単にするという意味になり、省くものは不要な物である事が多くなっています。
「せいりゃく」とも読む場合がありますが、古い表現となっているため現在では使用されません。
「省略」の「省」には、はぶくという意味があり「略」には、はぶく、奪い取るなどの意味があります。
よって「省略」となれば、不要なものを省くという意味となります。
「省略」の使い方
「省略」は、物事の一部を取り除いて簡単にするという意味があり、省く対象はいらないもとなります。
そのため使用例としては「この一文は省略する」や、「先日同じ話をしたので省略します」と言うようにいらないもの、必要のないものを省く際に使用されます。
「割愛」と「省略」の違い
「割愛」と「省略」の大きな違いは、その省くものの性質となっています。
「割愛」には、なんらかの理由があって仕方なく省くという意味があります。
対して「省略」という言葉は、不要なものを省くという意味があります。
それぞれ省く事には変わりありませんが、その性質は必要なものとそうでない物という違いがあります。
そのため、使用される場面を間違えると大きな誤解を生む可能性もありますので、十分注意する必要があるでしょう。
まとめ
様々な文章や、やり取りの中で多用される言葉である「割愛」と「省略」は、ともに省くという意味を持っています。
しかし何を省くかどうか、そして何故省くかという理由については大きな違いがあります。
その理由のせいで仕方なく省かねばいけない場合は「割愛」を、不要で無駄なものを省く際には「省略」を使用するのが適していると言う事になります。