この記事では、「功利主義」の意味を分かりやすく説明していきます。
人生を見つめるヒントにしていきましょう。
「功利主義」とは?意味
功利主義(こうりしゅぎ)とは、合理主義のこと。
イギリスのベンサルとミルが提言した「幸せを重視する考え方」のことです。
「功利主義」の「功利」とは、功績と利益のこと。
何かをおこなったときの、心の幸せです。
功利主義を唱えたミルは『功利主義論』の中で、私たちのすべての行いが「幸せか、そうではないのか」を基準にして決められているものだと言いました。
そして質の高い幸せを感じたとき、人がもっとも幸福でいられると説きました。
「功利主義」は個人の幸せを述べたものではなく、大勢の幸せについて述べたものです。
一部の人が幸せだと感じていても、少数の人が不幸せだったら、それは幸せとはいえません。
「多くの国民が幸せに感じる社会は、どうしたら作っていけるのか」改めて説いたものが「功利主義」です。
「功利主義」の概要
「功利主義」はベンサムとミルという、2人の哲学者によって作られた幸福論のこと。
ベンサムの思想を、アレンジしたものがミルの思想です。
先に活躍したベンサムは「快楽主義」という考えをもっていました。
快楽主義というのは、苦痛よりも快楽を重視した思想のこと。
多くの人が苦しいと感じる環境よりも、楽しいと感じる環境をつくる方がいいと述べた哲学です。
そしてベンサムの後に活躍したミルは「快楽にも、いくつかの種類があること」を述べました。
楽しいと感じる瞬間も「質のいいもの」と「質の悪いもの」両方があると説いたのです。
ベンサムの考え方をさらにバージョンアップさせたミルの哲学は、確かな功利主義として世界に広まっていきました。
日本でも福沢諭吉の思想に、大きな影響を与えたといわれています。
「功利主義」の言葉の使い方や使われ方
「功利主義」はこのように用います。
・『新しい社長は、功利主義的な考え方で有名だ』
・『結論が出なかったので、功利主義に基づいて多数決で決めます』
・『あの人は功利主義を、はき違えて使っているよ。屁理屈に惑わされないでね』
功利主義は全体の幸福を考えて、結論を決めていくこと。
そのため「多数決」を功利主義のひとつの手法とみることもあります。
「功利主義」は誰かの思想を伝えるとき、結論を出すとき、功利主義の理論を振りかざす人を批判するシーンで用います。
「功利主義」の類語や言いかえ
「功利主義」は次の言葉に置きかえできます。
・公益主義
・ベンサルの思想
・ミルの思想
功利主義はイギリスの哲学者、ベンサルとミルが提唱した主義です。
「公益主義」とも言いかえられます。
まとめ
「功利主義」について分かりやすくお伝えしました。
「功利主義」とはイギリスで生まれた「幸せの量を重要視する、物の考え方」のことです。
大勢の人の幸せを追い求める思想で、ベンサルとミルによって構築されました。
日本の福沢諭吉も、功利主義に大きな影響を受けた偉人です。