「厚志」と「香典」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「厚志」と「香典」の違い違い

冠婚葬祭は人生で必ず一度は参加することになるライフイベントです。

そんな中でも「お葬式」という避けることのできない人生の締めくくりに対して使われる言葉は作法などと含めて意外と知られていないのではないでしょうか。

中でも「厚志」「香典」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、意外と使い方や違いについては理解されていない方も多いと思います。

この記事では「厚志」「香典」の違いを分かりやすく説明していきます。

「厚志」とは

まず、読み方は「こうし」と言います。

これは「深い思いやりの気持ち」という意味を表し、お葬式だけではなく祝いの席でも使われるとても堅いですが、便利な言葉です。

特に相手側からの好意や行動に対して感謝の意を表す場合に使われる言葉で、どちらかと言うと受けて側が使う場面の多い言葉です。

例えば「この度はご厚志ありがたく存じます。」とすると相手の好意に対して深い感謝を表す表現になります。

ここに付け加えて「厚く御礼申し上げます。」とすると完璧な返答になります。


「香典」とは

さて、「香典」はどうでしょうか。

これは「葬儀の際、香や花の代わりとして死者の霊全にお供えする金銭」を表します。

冠婚葬祭に金銭を渡すというのはアジア圏独特の文化なのですが、直接的に「お金」を匂わせる言葉を避けるために「香典」という言葉が生まれているのは欧米の文化と比較するととても面白い特徴です。

「香典を包む。」とは「お葬式に金銭を遺族に渡す。」という意味を表し、ここでも「渡す」ではなく「包む」という言葉を選んでいるのもとてもアジア的な表現ではないでしょうか。

ちなみに一般的にお通夜の後に告別式がありますが、ここで両方に「香典」を供えるのは「不幸が重なっている」という意味を表すことになる為、やってはいけない行為とされています。

香典は「ピン札はダメ」というのはよく知られたルールですが、これは意外と知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。


「厚志」と「香典」の違い

実は「香典」「厚志」とも言い換えることが出来ますが、「香典」は葬儀のときのみに使われる限定的な言葉に対して「厚志」はどの様な慶事にも使うことの出来る言葉です。

つまり、この2つの単語は「場面問わず相手の金銭などを渡す行為を表現する言葉」「弔辞につかう金銭などを渡す行為を表す言葉」の違いで使い分けることが出来ます。

また、「厚志」「受け取った側が使う」のに対して「香典」「どちらでも使える」という違いもあります。

少し脱線しますが、返礼として何かしらの品物を送ることを「香典返し」と言いますが、「厚志返し」とは言わないことにも注意をしたいポイントです。

まとめ

如何でしたでしょうか。

冠婚葬祭はとてもマナーだけでなく、独特の言葉にも気を付ける必要があります。

堅苦しい言葉が続きますが、しっかりと理解をしないと相手に失礼ですので、是非これを機会に言葉の使い方や作法などにも注意をしてみては如何でしょうか。

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