この記事では、「及び」と「並びに」の違いを分かりやすく説明していきます。
「及び」とは?
接続詞の一種です。
複数のものを列挙するときに用いる語です。
別の事柄や物を付け加えるときにも用います。
他の語で置き換えると「と」「また」「そして」などになります。
たとえば、学校の授業科目をいくつかあげるとします。
その表現方法には、「英語・数学・国語」といった方法もあれば、「英語・数学及び国語」といった表現方法もあります。
英語も、数学も、国語も、授業科目という点で対等です。
つまり、「及び」は対等な関係にあるものを並べるときに使われる接続詞なのです。
「及び」の使い方
いくつかの語を並べるとき、接続詞として使用をします。
普通、3つ以上の事柄や物が並んだ場合は、最後の語の前につけます。
「英語及び数学・国語」といった使い方ではなく、「英語・数学及び国語」といった使い方になるのです。
対等な関係にあるものを並べるときに使用をし、まったく異なる事柄が並ぶときには使用しません。
たとえば「料理・算数及び映画鑑賞」といった用い方はしないのです。
先の英語や数学の例だと、授業科目という点で対等ですが、料理、算数、映画鑑賞は共通点を見出せません。
こういった事柄には、普通使わない語です。
「並びに」とは?
前後の言葉をつなぐ接続詞です。
別の言葉で置き換えると「と」「また」「そして」などになります。
たとえば「来賓並びに校長からの挨拶」のような使い方をします。
対等な関係が並ぶときに用いる語です。
しかし、順位を意識しており、先にくる語の方が優先順位が高い傾向があります。
卒業式などでは来賓と校長を比べると、来賓の方が大切に扱われる傾向があります。
そのため、「並びに」でつなげる場合には、来賓が先にきます。
「並びに」の使い方
対等な関係にあるものを並べるときに使用をします。
全く関係がない事柄が並ぶときには使用しません。
たとえば、「優勝カップ並びに観客」といった使い方はしないのです。
優勝カップをもらうのは選手などで、観客とは関係ありません。
「及び」と「並びに」の違い
同じように使われている語で、意味はほぼ同じです。
日常的に使われていますが、「並びに」の方がやや堅い感じがします。
この2つの語は、使うときの語の並べる順番にやや違いがあります。
「A及びB」としたときは優先順位を意識していませんが、「A並びにB」としたときは、Aの方がBよりも優先順位が高いことを指す場合があります。
「及び」の例文
・『北部及び西部に注意報が発令されています』
・『腕及び前部にファスナーを取り付けてあります』
・『スクールの生徒及び講師にお世話になりました』
「並びに」の例文
・『卒業生並びに父兄』
・『優勝カップ並びに盾の授与』
・『出席者並びに関係者のみなさま』
まとめ
どちらも接続詞で同じように使われています。
大きな違いはありません。