この記事では、「口約束」と「契約」の違いを分かりやすく説明していきます。
「口約束」とは?
証拠となる文書を用いない、言葉による取り決めです。
文章は使わず、言葉だけの約束を意味します。
友達と明日遊びに行くことになり、午前10時に駅前で待ち合わせをすることになりました。
このとき「午前10時に駅前に来ること」など紙に書いて取り決めをすることはないでしょう。
たいていは、口だけでそのことを取り決めます。
これが「口約束」です。
子どもがいる夫婦が離婚をした場合、子どもを育てている側が、もう一方の親から養育費を受け取れることがあります。
このことを文書にすることもあれば、口だけで取り決めることもあります。
「口約束」は後者の方です。
文書にすれば法律的な力を持つことがありますが、口だけだと法律的な力はほぼありません。
そのため、口だけの取り決めは、後でトラブルになることがあります。
「口約束」の使い方
文書を使わない、言葉だけによる約束を指して使用をします。
遊びやデートの約束は口だけで行われることが少なくありませんが、このようなことにこの言葉が使われることは少なく、結婚、交渉、金銭が関わることなどに使用されることが多いです。
「契約」とは?
「契約」には3つの意味があります。
1つめは、2人以上の当事者間が意志を示し、合意によって成立する法律行為です。
アパートを借りるときのことで考えてみます。
アパートを借りるとき、まずは不動産屋に相談をすることが多いでしょう。
不動産屋が部屋を紹介してくれて、気に入ったところがあれば、そこを借りることになります。
借りると決まったときには、書類にサインをしたりします。
この書類には、契約期間や賃料などが記載されています。
サインをするのは、それに同意をしたことを示すことになります。
このような行為が「契約」です。
売買、賃借、交換、雇用などについていいます。
2つめは、互いに約束をすることです。
当事者間で決めることをいいます。
3つめは、ユダヤ教やキリスト教の思想の一つです。
「契約」の使い方
いくつかの意味がありますが、法律行為を指して使用をすることが多いです。
法律行為の場合は文書が用いられます。
「口約束」と「契約」の違い
どちらの言葉にも約束という意味が含まれていますが、同じ意味ではありません。
前者は言葉だけで行われます。
文書は使いません。
そのため、法律的な力は、場合によってはありません。
後者は文書を用います。
法律行為を指す場合が多いです。
「口約束」の例文
・『口約束に過ぎない』
・『結婚しようといったけれど、それは口約束だった』
・『口約束はしないように』
・『口約束でもいいだろう』
「契約」の例文
・『契約内容を確認する』
・『1年間の契約』
・『携帯電話の契約をする』
・『契約期間を更新する』
まとめ
約束という意味を持つ2つの言葉ですが、文書を使うのか、使わないのかという点に違いがあります。