歴史の書物をチェックしていると、よく似た単語が出てくることがあります。
この記事では、「史記」と「十八史略」の違いを分かりやすく説明していきます。
気になる疑問を、今すぐ解決していきましょう。
「史記」とは?
史記とは紀元前の時代に、司馬遷が書いた歴史書のこと。
それまでに築かれた中国の歴史を、1冊の本にまとめた長編の書物です。
社会の教科書に出てくる司馬遷は、とにかく勉強が好きだった人。
史記を執筆する前には、宮廷に出かけて数多くの資料に目を通しました。
また当時を知る人や親族に取材をして、たしかな情報をあつめました。
今でいうなら、学者と新聞記者がまじったような仕事をしていたのです。
史記には夏や漢などの皇帝と、歴史のあらましが刻まれています。
また孔子などの、有名な学者も登場しています。
史記を読むと、当時の中国がどのように変化していったのか、よく学ぶことができます。
ちなみに傍若無人や四面楚歌、臥薪嘗胆などの有名な四字熟語は史記のエピソードから生まれたもの。
遠そうに見えて、とても近い書物が史記なのです。
「十八史略」とは?
十八史略とは1300年代の、元の時代につくられた中国の歴史教科書です。
曾先之を始めとする多くの選者が、十八史略の制作にたずさわりました。
わかりやすく中国史についてまとめられたもので、その内容は子どもでも読めるように簡単な言葉で書かれていました。
日本では江戸時代の寺子屋で、十八史略を教科書代わりに採用していたようです。
寺子屋は読み書きソロバンを教えるための、今でいう塾のような所です。
十八史略もことわざの宝庫といえるくらい、有名なことわざを多く輩出しています。
鼓腹撃壌や酒池肉林なども、十八史略から生まれた言葉です。
十八史略は現代語訳されたもの、小説化したものなど、姿を変えたものが色々と発売されています。
とても読みやすい内容の書物なので、中国史の手始めの1冊としてもおすすめです。
「史記」と「十八史略」の違い
どちらも中国をよく知るための書物です。
「史記」と「十八史略」の違いを、分かりやすく解説します。
・時代が大きく異なる
「史記」と「十八史略」は、どちらも中国の歴史書です。
どちらにも「中国史」の史が使われているので紛らわしいのですが、制作された時代が大きく異なります。
史記がつくられたのは紀元前のこと。
具体的には紀元前90年代です。
それに対して十八史略の編纂が始まったのが、1300年代です。
日本に例えるのなら、史記は縄文時代。
十八史略は鎌倉から室町時代にかけてつくられた書物です。
かなりの幅があるので、どんな時代に書かれたのかセットで覚えておくと、テストに出ても間違えにくいです。
まとめ
「史記」と「十八史略」の違いをまとめてお伝えしました。
どちらも中国の歴史を、色々な視点から描いた書物です。
史記は司馬遷が書いたもので、多くの有名ことわざの元となった歴史書です。
また十八史略は、史記より後の時代に制作され、日本の寺子屋でも活用された有名書です。
違いをおさえて、歴史にくわしくなりましょう。