「吠える」と「吼える」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「吠える」と「吼える」の違いとは?違い

この記事では、「吠える」「吼える」の違いを分かりやすく説明していきます。

「吠える」とは?

「吠える」【ほえる】とは、獣が力強く大きな声で鳴くことです。

これは、主に動物が外敵などを警戒しているとき、相手を威嚇するとき、あるいは何かを伝えようとしているときにする動作です。

「鳴く」「吠える」の違いは、鳴く生物には哺乳類、鳥類、昆虫などがいることに対し、「吠える」のは大きな声が出せる哺乳類に限られることです。

例えば「吠える」動物には、犬、ライオンやオオカミなどがいます。

鳥や昆虫、ネズミなどの小動物は鳴き声は出しても「吠える」ことはできません。

また、生物が鳴くのは仲間同士でコミュニケーションをとる目的がありますが、動物が「吠える」ときには警戒時や緊急時が多いところも、鳴くと「吠える」の違いがみられます。

動物は「吠える」「鳴く」ほかに「唸る」【うなる】こともあります。

「唸る」とは低い声で「ウウー」とうめくような声を出すことで、主に相手を威嚇するときに唸ります。

ちなみに、人が力いっぱいわめいたり怒鳴ったりすること、荒れている海や風がごう音を出すことも「吠える」と表現されることがあります。


「吠える」の例文

・『あの家の前を通るたび、庭にいる犬がすごい剣幕で吠えるので、あの家には近づきたくないんだ』
・『あいつは負けたことが悔しくて吠えているだけだろ』
・『大嵐で海が吠えている』


「吼える」とは?

「吼える」【ほえる】とは、大型の獣が大きな声で鳴くことです。

「吼」「吠」とほぼ同じ意味を持ち、「吠える」と同じように動物が大きな声で鳴くことを「吼える」と表すことができます。

漢字の「吼」には、大型の獣が大きな声で鳴くという意味があります。

つまり「吼える」は、犬のようにあまり大きくない動物がほえることではなく、ライオンや虎のような猛獣が迫力ある声でほえることを指す言葉なのです。

また「吠える」と同様に、人が雄叫びを開けたり大きな声でわめいたりすることも「吼える」と言い表します。

「吼える」の例文

・『雄ライオンが吼える様子は迫力満点だ』
・『あのスポーツ選手は得点が入るたびに吼えるパフォーマンスで人気がある』

「吠える」と「吼える」の違い

「吠える」「吼える」の違いを、分かりやすく解説します。

「吠える」「吼える」はどちらも「ほえる」と読み、獣が大きな声で鳴くこと、人が怒鳴ったりわめいたりすること、海や風がごう音を慣らすことを指すことを指します。

両者の意味はほぼ同じですが、「吠える」が犬のような大きくない動物のほえる様子を指すのに対し、「吼える」がライオンや虎のような大型の動物の吠える様子を指すところに違いがあります。

漢字の意味を見てみると「吠」は動物を表す「けものへん」「犬」から成り立つように、犬が鳴く様子を指していることがわかります。

一方「吼」は動物の迫力ある唸り声を指しており、「吠える」よりも力強く大きな声をあげる様を指していることがうかがえます。

さらに「ほえる」には、獣が激しくほえる様子を指す「咆える」という漢字表記もあります。

「ほえる」は獣の大きさや状況によって「吠える」「吼える」「咆える」と使い分けることができるのです。

まとめ

「吠える」「吼える」はどちらも動物がほえることを表しますが、ニュアンスが違います。

犬がほえることは漢字の「犬」がつく「吠える」を使い、犬より体の大きなライオンや虎には「吼える」を使うと覚えておきましょう。

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