「和声短音階」と「旋律短音階」の違いとは?分かりやすく解釈

「和声短音階」と「旋律短音階」の違い違い

この記事では、「和声短音階」「旋律短音階」の違いを分かりやすく説明していきます。

「和声短音階」とは?

「和声短音階」【わせいたんおんかい】とは、第7音が半音上がっている短音階のこと。

短調の和音によく使われるため、この名称が付けられています。

別名は「ハーモニック・マイナー・スケール」です。

「短音階」「全音階」の一種で、主音の「ラ」から1オクターブ上の「ラ」までの8つの音度で形成されています。

主音を「ド」とする「長音階」に比べると、陰気さ、もの悲しさを感じるところが大きな特徴です。

この「短音階」のうち「自然短音階」(ナチュラル・マイナー・スケール)は全ての音度が「全音」で構成され、音階に柔らかい印象があります。

ただし、第7音から主音の「ラ」に向かって終わる感じが乏しい、という特性があります。

「和声短音階」は第7音を半音上げ「自然短音階」よりも音階の終わる感じが明確になりました。

それによって雰囲気も変わり、短音階特有の不安感、緊張感が一層強まっています。


「旋律短音階」とは?

「旋律的音階」【せんりつてきおんかい】とは、旋律が上行するときに第6音と第7音を半音上げる短音階です。

旋律によく使われるので、この名前が付けられています。

別名は「メロディック・マイナー・スケール」です。

「和声短音階」は、第7音が半音上がっているため、第6音から第7音にかけて上行する幅が広く、西洋音楽だと違和感が生じてしまいます。

そこで第6音も半音上げ、第6音から第7音へなめらかに上行させたのが「旋律的短音階」です。

旋律のぎこちなさがなくなり、クラシック音楽を作成する際の都合の悪さが解消されました。

ちなみに音度を半音上げるのは上行する時のみで、下降する際には半音を一切下げない「自然短音階」を用います。


「和声短音階」と「旋律的短音階」の違い

「和声短音階」「旋律短音階」の違いを、分かりやすく解説します。

どちらももの悲しい曲調に使われる短音階ですが、音階を構成が一部異なります。

両者の違いは「和声短音階」が第7音を半音上げるのに対し「旋律短音階」は上行する時のみ第6音と第7音を半音上げているところです。

「和声短音階」は、音階の終わる感じが明確になりますが旋律としては違和感が生じてしまいます。

その弱点を解消するため、なめらかな旋律に変化させたものが「旋律的短音階」です。

「旋律的短音階」はおだやかでもの悲し気な西洋音楽風です。

一方「和製短音階」は緊張感やあやしさがあり、第6音から第7音に上行する部分は、どこか中近東のメロディを思わせます。

まとめ

「和声短音階」「旋律短音階」は音楽の専門用語ですが、音楽の経験がない人でも、実際に音階を聞いてみると雰囲気の違いには気づくはずです。

作曲や楽器演奏をする際には欠かせない知識なので、音楽に携わる人は両者の違いをしっかり把握しておきましょう。

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