何かをお願いするといっても様々な方法があります。
強要したり、相手の同情をさそったり、顔色を窺ったりと方法は様々です。
目標はお願いごとを聞いてもらうという部分は同じですが、手段やアプローチが違うのはイメージして頂けると思います。
当然このアプローチ方法を端的に説明する単語も存在しています。
今回はこのうちの2つをご紹介し、違いについてご説明したいと思います。
この記事では「嘆願」と「哀願」の違いを分かりやすく説明していきます。
「嘆願」とは
一言で説明をすると『状況を詳しく述べて熱心に頼み込むこと』です。
『嘆』という字は二つの意味があり、一つは『なげいたり、ため息をつくこと』で、もう一つは『心を強く動かされたり感心すること』です。
大体の場合は実現や達成が非常に困難な要求を他人、多くの場合は地位が上だったり、強い決定権を持つ人や神仏にお願いをする場合に使われます。
我々が耳にしたことのある身近な言葉としては『嘆願書』などがあると思います。
「哀願」とは
一方『哀願』は『事情を述べて相手の同情心を引く様にお願いをすること』です。
『哀』という字が『あわれむ』や『かなしむ』、『泣きつく』という意味がありますので、イメージはしやすいのではないでしょうか。
こちらも何か実現や達成が難しい要求を受け入れてもらう時に使われますが、立場や神仏などだけではなく、パートナーだったり、場合によっては自分よりも年下や弱い立場の人間に対してもつかうことのあるものです。
「嘆願」と「哀願」の違い
この二つは『事情を説明して強くお願いをする』か『泣き落とし』かではっきりと区別がつきます。
『嘆願』の方はどこか情熱を込めて相手にお願いごとを訴えているのに対して、『哀願』は理論も何もなく、ただただ感情に訴えかけているというイメージを持って頂ければ問題ありません。
「嘆願」の例文
・『被告の有罪は覆らなかったが、多くの人々の強い嘆願により減刑がされた。』
・『ご家族の単眼にも関わらず、行方不明者の捜索は苦渋の決断ではあるが打ち切られることになってしまった。』
・『市議会はこれだけ多くの署名が集まったにも関わらず、嘆願を拒んだ。』
「哀願」の例文
・『私の父は母に涙ながらに必死に哀願をして離婚を回避しようとしたが、拒まれてしまった。』
・『小学生のあまりの哀願に我が社の社長は心を打たれ、多額の寄付をすることになった。』
・『伊藤さんは経済的な苦しさから今月の支払いを猶予してくれる様に大家さんに哀願した。』
まとめ
如何でしたでしょうか。
何かをお願いするとっていも様々な言葉があるのがお分かりいただけたのではないでしょうか。
今回は『嘆』と『哀』という二つの似た様な言葉が付いた物でしたが、これではっきりと区別を付けることができたら幸いです。
その他にも『懇願』や『誓願』などまだまだ存在しますので是非調べて見て下さい。