「主宰」と「主催」の違いとは?分かりやすく徹底解説

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「主宰」とは?

主宰とは、上に立って物事を支配する、あるいは支配する人、という意味を持ちます。

ある組織やプロジェクトの中心に立った場合は主宰者になります。

「主催」とは?

主催とは、その中心となって会合や行事をする人のことを指します。

あるいはその団体や機関を指す場合もあります。

例えば、お祭りやイベント、大会が開催された場合、それらを実施している団体が主催となり、新聞社が花火大会を主催したり、市がコンサートを主催する、ということもあるでしょう。

中心となって行っていれば主催になります。

物事の上に立っているのではない限り、主宰にはなりません。

「主宰」と「主催」の違い

主宰と主催はわかりにくいと思う人もいるでしょう。

何かを開催すれば、その人は主催者になります。

しかし、それらの上に立って支配する立場にならなければ主宰者になれるわけではありません。

主催はあくまでも中心となって何かを催す、という意味ですが、主宰は上に立って支配する、という意味になります。

また、主催は団体や組織を指すこともありますが、主宰は基本的に人を対象とします。

例えば祭祀を実施する場合、祭祀者は主宰者になります。

今上天皇の長女である黒田清子さんは伊勢神宮の祭主であり、主宰者になります。

「主宰」の使用例

ここでは主宰という表現を使った表現を紹介します。

「主宰」の例文1

「彼女が女性解放運動の主宰者として活躍した」

明治時代から大正時代にかけて、世界中で女性の解放運動が始まりました。

日本では平塚雷鳥を筆頭に女性の権利獲得が行われるようになったのです。

主催したというわけではなく、女性解放運動を支配するという形で率いたため、平塚雷鳥はまさに主宰者だったと考えられます。

「主宰」の例文2

「第二次世界大戦が終わった後、マッカーサーが東京裁判の主宰者になった」

第二次世界大戦が終わり、日本が敗戦を迎えると、日本では東京裁判が行われました。

これは東京国際軍事裁判であり、ドイツのニュルンベルク軍事裁判と同じような問題について議論されました。

マッカーサーと言えば、昭和天皇と並んだ写真が夢ですね。

「主宰」の例文3

「吉田松陰が主宰者になり、松下村塾が経営されていた」

今も山口県萩市では、江戸時代末期に長州藩の節であった吉田松陰が松下村塾を経営していました。

この頃はまだ今のような学校などが存在しなかったため、寺子屋という形で子供たちが学べる場が提供されていたのです。

1830年から1844年に著しく展開したと言われ、幕末には15,000以上もの寺子屋があったと考えられています。

「主催」の使用例

ここでは主催という言葉の例文を紹介します。

「主催」の例文1

「この夏には、あの新聞社がスポーツ大会を主催するらしい」

近年では、新聞社が主催するイベントも多くなりましたね。

花火大会なども新聞社主催で行われることが多く、夏を楽しみにしているという人も多いのではないでしょうか。

2011年3月11日の東日本大震災を受け、自粛になってしまった花火大会もありましたが、花火大会には盛大に盛り上げて経済を活発化させる力もあります。

「主催」の例文2

「主催者が多い場合、どの順番で団体名を記述するか、しっかりと考えてください」

また後ほど説明しますが、主催する団体が多くなると、それは共催や共同主催という表現で表されます。

しかしその一方で、共催等にする場合はどの順番で団体名を記述するのか、ということも意識しなければいけません。

あいうえお順にするのか、より多く協力が得られている団体を先に書くのか、繊細な配慮が求められます。

「主催」の例文3

「主催以外にも協賛、協力、後援、などという言葉があります。」

主催は中心になって開催する、という意味ですが、それ以外にも協賛や協力など、様々な言い回しがあります。

ちなみに主催する団体などが増えたら共催になりますが、催し物に賛同して協力し、スポンサーとなる場合は協賛になります。

力を合わせて目的を達成する場合は協力になりますし、物事が円滑に進むように後ろ盾になる場合は後援になります。

「主催」と「共催」の意味

主催と共催は似たような意味ですが、少し異なります。

主催する団体がイベントの中心となって企画や運営を実行するわけですが、もしもそのような団体がたくさんいる場合は共催という表現が用いられます。

そして、共催に運営を委託されて管理をする場合、その人は主管になります。

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